皆さんは、「トークンエコノミー」をご存じですか?
トークンエコノミーを使うことで、お子さんの良い行動を増やしたり、頑張る力をアップさせることができます。
トークンエコノミーをどうやって取り入れば、いいのでしょうか?
記事の最後に、あなたへのプレゼントがあるので、最後まで読んでいただけると幸いです。
目次
トークンエコノミーとは?
望ましい行動は、その行動が増えるように誘導(強化)し、望ましくない行動は、その行動が起きにくいように取り除いていく(消去)ということが、行動療法の基本です。
望ましい行動を増やすために、使われるのが「ご褒美(トークン)」です。
子供が望ましい行動をしたときにご褒美をあげることで、子供が望ましい行動を、より頻繁に行うようにすることが狙いとなっています。
トークンエコノミーは、何回かの成功でシールなどを貯めて、ご褒美(トークン)にかえる方法なのですが、我が家では次のようなときに用いていました。
トイレトレーニングにて
我が家では、長男のトイレトレーニングのときに、トークンエコノミーを用いました。
長男が保育園年少の頃、一定時間になってもオムツが濡れなくなったので、保育園の先生と相談し、トイレトレーニングを始めることになったのです。
2時間ごとに長男をトイレに連れていき、排尿させることをやってみましたが、想像以上に難航しました。
- トイレに誘っても行かない。
- オムツの中が濡れても、平気で過ごす。
- 連れて行こうとすると、泣かれる。
- 排便は、オムツの中でしかしない。等
このまま続けても、うまくできないばかりか、長男がトイレに対する嫌悪するようになって、さらにトイレに行かなくなるのではないかと心配しました。
なので、大好きなチョコ(ご褒美)を使って、長男のトイレに行くモチベーションをあげることにしたのです。
最初に大好きなお菓子(チョコ)を見せて、「ちょうだい」が出たときに、「トイレ行こう」と誘いました。
そして、「トイレでおしっこをしたら、チョコあげるよ」と伝え、おしっこができたときに、手を洗ったあとでチョコをあげることにしたのです。
最初の頃は、大好きなチョコをたべることができるということで、モチベーションが高かった長男。
次第にトイレでのおしっこに慣れてきましたが、毎回チョコを食べるのも飽きてきたようでした。
そこで毎回ではなく、「10回おしっこができたらご褒美(トークンエコノミー)」にしました。
ご褒美もランクアップしてアイスに変更し、さらにモチベーションが高くなったようで、長男はスムーズにおしっこに行けるようになりました。
10回分が終わったら、また10回分をすることを繰り返しました。
もちろん、これだけでトイレトレーニングが成功したわけではありませんが、長男が苦手なトイレトレーニングを頑張ることができたのは、このおかげだと思います。
それ以外でも使えるトークンエコノミー
もう1つトークンエコノミーを使った試みがあります。
我が家の次男は、任天堂のSwitch(スイッチ)のゲームが大好きです。
ある日、次男は「ヨッシークラフトワールド」が欲しいと私と主人に言ってきました。
つい先日、マリオオデッセイを購入したのに・・・。
新しいソフトが買えないわけではないのですが、気軽に物が買えると勘違いして欲しくないと思いました。
このとき、次男は小学校3年生だったので、そろそろお金の価値について学んでも、いいのではないかとも思ったのです。
なので、トークンエコノミーを使って、「お手伝い50回をしたら、ヨッシークラフトワールドがゲットできる」ことを約束しました。
最初の頃は、頑張ってお手伝いをしてくれましたが、「50回」というゴールは、次男にとってなかなか大変でした。
なので、途中でお手伝いをしないときもありましたが、私達の方からお手伝いをするように促すこともなく、見守ることにしました。
すると、しばらくたって、またお手伝いをするようになり、始めてから約2か月半頑張って、ようやくゴールすることができたのです。
冒頭の写真は、ゴールできたときの写真です。
次男は、とても嬉しそうでしたし、達成感でいっぱいでした。
このおかげで、次男は物を買うときの働くことの大変さの他に、頑張ることの大切さを学んだと思います。
どうやって使う?
では、トークンエコノミーを、どうやって活用すればいいのでしょうか?
ちょっと頑張るぐらいの目標で
目標が簡単すぎるとすぐに達成してしまいます。
逆に、目標が難しすぎると、失敗ばかりを積み重ねてしまうので、お子さんの意欲がなくなります。
なので、目標は、お子さんが「ちょっと頑張ればできる」ぐらいにしましょう。
「うちの子は、どのぐらいできるか、ちょっとわからない。」でしたら、とりあえずやってみて、お子さんの様子をよく見てあげてください。
少しのサポートでできそうだったら、それを目標にしましょう。
なかなか難しいようでしたら、少し簡単なことを目標として、スモールステップで取り組んでください。
子供の目のつくところに貼っておく
目標が決まったら、紙を用意しましょう。
スタートとゴールを書き、お子さんに合わせてゴールまでの数を決めてください。
また、ゴールには何がもらえるか、文字・絵・写真などを使って、お子さんが理解できるように示してあげましょう。
書いた紙は、お子さんが目に付くところに貼っておきます。
トイレトレーニングだったら、洗面所のところ。
お手伝いだったら、冷蔵庫のところなど、お子さんがあとどのくらいで達成か確認できるようにすることで、次へのモチベーションに繋がります。
お子さんがポイントをつけるとき、シールを使用する場合は、シールの用紙をポイントを張る紙とセットにしておいてください。
ポイントをつけるときは、お子さんに貼らせたり、書いてもらうようにしましょう。
ご褒美は、子供に合わせて
幼児期のお子さんでしたら、「食べ物」がおすすめです。
お菓子などの食べ物でしたら、すぐお子さんにあげることができるからです。
また、お菓子でしたら普段から食べているのものではなく、「お子さんの好みで、ちょっといいお菓子」など、プレミア感があるといいでしょう。
お菓子以外でしたら、ハンバーガーなどのファーストフードやラーメンなど、お子さんが好きな物にしてください。
ただ、小学校就学以降だと、お子さんによっては、ご褒美が「食べ物」だとモチベーションが上がらないかもしれません。
その場合は、お子さんの好きなとこへお出かけか、欲しい物でもいいと思います。
ただし、物の場合でしたら、何でも好きな物だと、子供に不相応な金額の高い物を希望するかもしれないので、必ず相談しながら決めてください。
決めたことは、親も守ること
お子さんが、目標を達成することができたら、必ず親は約束を守ってください。
なので、ご褒美をあらかじめ用意しておくか、あと少しで達成しそうなときに用意をしておいてください。
親が約束を守ってくれなかったり、曖昧にされてしまうと、お子さんの頑張ろうとする意欲がなくなってしまいます。
また、約束を反故されることで、お子さんは「約束したことは守らなくてもよい」と学んでしまうかもしれません。
よほどの事情がない限りでしたら、お子さんと決めたことは必ず守ってあげてください。
気をつけるポイント! ~我が家の失敗談も交えて
トークンエコノミーを実施していく上で、気をつけることがあります。
失敗しても、ポイントを減らさない
実施していく上で、うまくいくときもあれば、うまくできないときもあると思います。
できなかったときに、ポイントを減らされてしまうと、お子さんは「どうせポイントを減らされるんだ・・・」と、意欲がなくなってしまいます。
お子さんができなかったときは、励ましてあげたり、やり方を変えるなどしましょう。
また、お子さんに行動して欲しいこと(例:着替え、宿題、明日の準備など)があっても、なかなか動いてくれないとき、「〇〇〇しないと、1個減らすよ」というような声掛けは、やめましょう。
それよりも、「〇〇〇してくれると、嬉しいなぁ」と声掛けして、もしお子さんが行動してくれたら、「ありがとう!じゃあ、特別に1個プレゼントだよ」とすることで、さらに望ましい行動が増えていきます。
ご褒美が食べ物の場合、ここに注意!
長男が保育園年少時代に、ご褒美は主にチョコでしたが、プレミア感を出すために棒アイス1本に変更した時期がありました。
でも、寝る前のトイレトレーニングが成功したときに、ちょうど達成したことがあったのです。
寝る前に棒アイス1本・・・。
さすがに寝る前に棒アイス1本は良くないと思い、「明日保育園から帰ったら食べることができる」ことを伝えました。
でも、いつもはすぐ食べれるのに、今回は食べれないことに長男はご立腹のようで、申し訳ないことをしたなぁと反省しました。
なので、アイスを棒アイス1本から、1口で食べれるアイスに変更しまし、万が一寝る前になったときは、アイスを食べさせて歯磨きをしっかり行いました。
あとは、ご褒美にケーキを設定したときもありましたが、今日ギリギリゴールなのか、明日に持ち越しなのか、用意するのに大変なときもありました。
なので、食べ物をご褒美にするときは、なるべく「用意しやすいもの・購入してから日持ちがするもの・寝る前に影響がでないもの」がお勧めです。
ゴールまでが遠すぎると・・・
トークンエコノミーの良い点として、あとどのくらいでゴールできるのか、視覚で確認することができるので、ゴールが近づいてくると、お子さんのモチベーションもさらに高くなるでしょう。
ただ、ゴールまでが遠すぎると、お子さんは「まだ、ここなのかぁ・・・」とガッカリしてしまうかもしれません。
うちの子には、どのぐらいでいいのか悩みますよね。
例えば、幼児期のお子さんがトイレトレーニングで使う場合でしたら、最初の頃は、おしっこを1回行けたらご褒美1個とします。
おしっこ1回がスムーズに行けるようになったら、トークンエコノミーで、3回おしっこができたらご褒美とし、ステップアップしていきましょう。
ゴールまで短いトークンエコノミーに慣れてきたお子さんや、ご褒美がおでかけや物などの場合は、ゴールまでを長く設定しますが、途中に「通過地点ポイント」を設けましょう。
例えば、ゴールまでの数が30個あった場合、5・15・25番目になったときに、ちょっとしたご褒美を設けます。
好きなお菓子だったり、ゲーム時間がいつもより15分多くできるなど、お子さんのヤル気が上がるようなご褒美内容になるように、親が決めてください。
もちろん、お子さんから提案があったときは、相談しながら決めましょう。
「通過地点ポイント」を設けない場合でも、お子さんが無理をしていないかなど、様子をみてあげてください。
ご褒美は、褒めることとワンセットで!
お子さんにご褒美をあげるときは、必ずお子さんを褒めてからあげましょう。
幼児期のお子さんだったら、できたときすぐに、「できたね!すごいよ~!」と、自分は今褒められているんだということが伝わるように、少し大げさに伝えます。
幼児期よりも年齢が高いお子さんでしたら、「やったね!」とハイタッチをしたり、ゴールできたときに、それまで頑張った過程を褒めましょう。
お手伝いをしてくれたときは、「ありがとう」や「手伝ってくれて助かったよ」と、お子さんへの感謝の気持ちを必ず示してください。
お子さんを褒めることで、「よし!次も頑張ろう!!」と頑張る力が身についていきます。
ただ、「褒める」ことは、普段から口に出して言わないと、いざその時が来ても、うまく言うことができません。
普段からお子さんの良いところを探して、褒めることを練習しましょう。
ご褒美に褒めることをワンセットでしておくことで、将来的にご褒美がなくても、お子さんは行動できるようになります。
実際に、長男はトイレに行くとき、ご褒美がなくても行きます。
トイレでおしっこをすることができるようになったというのもありますが、ご褒美と同時に「できたね!すごいよ!!」といつも褒めていたからだと思います。
なので、ある程度できるようになってからは、新しいトークンエコノミーの用紙を作ることをしませんでした。
用紙がないことで、長男はパニックや癇癪を起すことはなかったです。
私や主人から褒められて認められていることで、ご褒美がなくても、「自分は凄いんだ!」と自己肯定感が高くなったからだと思います。
褒めることは、お子さんにとって望ましい行動をする「原動力」になるのです。
最後まで読んでくれたあなたへプレゼントがあります!
トークンエコノミーがお家でできるように、用紙を4パターン作りました。
サイズは、A4サイズ1枚で印刷できるようになっています。
PDFでダウンロードができますので、自由に活用して頂ければ幸いです。
【3個ゲットでゴール版】
【5個ゲットでゴール版】
【10個ゲットでゴール版】
【長期目標版(37個)】
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