うちの子は、元気に学校へ行っても、放課後まで学校にいることができません。どうしたらいいでしょうか?

子供が、元気に学校へ行ったのに、なぜか放課後まで学校にいることができない。

学校から連絡があって迎えに行くと、朝、元気だった様子とは違って、ぐったりしている。

本人に、どうして元気がないのか理由を聞いても、「わからない・・・」と言うだけ。

もし、あなたのお子さんにも同じようなことがあったら、あなたはどうしますか?

 

お子さんが自閉症スペクトラムで悩んでいらっしゃるお母さんの中でも、

お子さんが学校に行けなくなって困っているご家庭は、とても多くいらっしゃいます。

 

このような状況ですと、親としても、将来どうなるのだろうとか、いろいろな不安がよぎりますよね。

先生から暴言や暴力を受けていたり、学校でいじめられていたりなど、

そういった事実があれば、すぐに対策が必要なのは言わずもがなですが、

それ以外にも、

  • お子さんに適切な環境が整えられている。
  • 先生との関係も良好。
  • お友達との関わりにも問題はない。

 

学校での環境は問題ないのに、なかなか学校で落ち着いて過ごすことができない。

学校に行けても、途中から保健室やカウンセリングルームなどに、退避しなければ学校にいることができない。

このように、何か重大な問題があるようには見えないけれど、学校になかなか行けない、こんな状況のお子さん達がいらっしゃいます。

 

不登校のお子さんに関してのご相談の中で、お母さんによく言われることがあります。

「子供に、どうして元気がないのか理由を聞いても、『よくわからない・・・』としか、言ってくれません。」

こういったご相談をいただくことが、とても多いのが特徴です。

 

お母さんとしては、当然心配ですから、何があったのか?いじめられてはいないか?

何か原因があるのではないかしら?そう思いますよね。

でも、お子さんは別に嘘を言っているわけではなくて、本当に「よくわからない」のです。

では、どうしたらいいのでしょうか?

小さい船の船長さん

お子さんは、小さい船の船長さんです。

一人で意気揚々と出航しますが、すぐに燃料や物資がなくなって途方にくれてしまいます。

航海を続けたい気持ちはあるけれど、身体や心がついていきません。

 

どうすることもできず、SOSを発信して、「お母さん」という母艦に助けに来てもらいます。

その後、「お家」という港に帰って、「心のエネルギー」という物資を補給します。

ところが、ここで困ったことが発生します。

 

「心のエネルギー」というのは、お家でお手伝いをしたりする中で、

たくさん褒められ、承認される中で、ちょっとずつ補給されていきます。

 

ところが、この補給の状態が目に見えないのです。

航海に行けないほどの状態は、心にエネルギーが全くないような、カラカラの状態です。

これは、ちょっとやそっとでは、満タンにならないのです。

 

そして翌日、頑張って一人で出航します。

でも、当然ながら、航海に十分な物資が積み込めていませんから、

同じように、その日も、最後まで航海を続けることができません・・・。

本人にとっても、どうしてエネルギーが途中で切れてしまのか、よく分からない状態です。

「どうして元気が出ないの?」と両親から聞かれても、

お子さんにしてみたら、本当に「よく分からない」のです。

 

そんなことを何度も繰り返していくうちに、次第に港から出航することすら、できなくなっていきます。

周りからすると、どうして海に旅立つことができないのか、よくわからないまま、様子を見ましょうと言われて、ただ日々が過ぎ去っていくのでした・・・。

どうしたら、再び出航できるの?

いかがでしたか?ちょっと切ないですね。

ちなみに、この話は、分かりやすいようにと主人が教えてくれた例え話です。

 

では、一体どうすれば良いのでしょうか?

大海原を一人で航海して、帰ってくることは、とても大変なことです。

普通のお子さんですら大変なのに、発達に凸凹のあるお子さんにとっては、

毎日、嵐の中に立ち向かっていくようなものなのかもしれません。

ですから、まずはしっかりと補給してあげることが必要です。

お母さんにできること

お母さんが中心となって、お子さんをたくさん褒めてあげることで、しっかりと心のエネルギーを補給する必要があります。

「どうやって、子供を褒めればいいのかわからない」と、戸惑われるお母さんも、いらっしゃると思います。

お子さんがお手伝いをしてくれた時や、良いことをした時がチャンスです。

ありがとう、いい子ね。お母さん嬉しいわ等、たくさん褒めてあげてください。

例え、お手伝いなどのように目立ったことがなくても、お子さんが元気で過ごしていることを褒めることでも、良いでしょう。

「今日も元気ね。○○ちゃんの元気な声を聞くと、お母さんも元気が出るわ。」等です。

 

お母さんも褒める練習が必要

「お子さんを褒める」ということは、お母さんとしてのスキルです。

意識していないと、「褒める」ということはできません。

そのほかにも、お子さんを「褒めるワード」は普段から使っていないと、咄嗟には出てこないものです。

常日頃から、「お子さんの良いところ探し」をしてみてはいかがでしょうか。

そうすることで、日常の何気ない瞬間でも、

「○○ちゃんは笑顔が素敵ね。お母さん○○ちゃんの笑顔を見るとホッとするわ。」

「○○ちゃんの元気な足音を聞くだけで、お母さんも元気が出てくるの。」

このように、「褒める」シャワーをたくさん浴びさせることができるようになります。

年齢が高いお子さんや、生活が乱れているお子さんの場合

年齢が高いお子さんの場合、褒められることが照れくさかったり、戸惑われるかもしれません。

今まで、褒められることを経験して来なかったお子さんに、いきなり「偉いね、すごいね」と言っても、

「えっ!何言ってんの?」と、逆に相手にしてもらえないでしょう。

「お母さん、本当にそう思っているんだよ。」と伝えてみてください。

「お母さんは、貴方が元気に育ってくれているだけで、本当に嬉しいんだよ。」と、気持ちを伝えてみてください。

時間はかかりますが、そうすることで、少しずつお子さんの心に、自己肯定感が芽生えてきます。

次第に、お子さんの心のエネルギーが満たされてくると、「何処かに遊びに行きたいな」というように、思えるようになっていきます。

 

また、生活習慣が乱れているお子さんの場合は、まずは、生活のリズムを整えるところから行わなければなりません。

夜型の生活になっている場合は、早寝早起きや、ゲームを禁止したりする必要があります。

特にゲームを禁止する場合、お子さんによっては、激しい抵抗がある場合があります。

暴れたり、学校に行くから。などの交換条件を持ち出したりなどです。

でも、ご両親はぶれることなく、毅然とした対応を取る必要があります。

お子さんの生活習慣を改善したり、心のエネルギーを補充する期間は、ご両親にとっても、自分達と向き合っていく期間になります。

そして、十分にエネルギーが溜まったら、今度はお父さんの出番です。

お父さんや周囲の人ができること

お母さんが、家でゆっくりエネルギーを補給する役割なのに対して、お父さんの役割は社会に旅立つための、橋渡しをすることです。

「家庭」という安心してくつろげる環境から、「遊び」を通して外の世界に連れ出すことで、「社会」への船出の準備をするのです。

 

例えば、キャッチボールだったり、サッカーだったり、家族でキャンプに行ったりなどです。

お父さん以外にも、外に連れ出してくれるようなお友達がいれば、なお良いでしょう。

 

不登校のお子さんで、お友達と外で走り回って遊んでいる子はまずいません。

逆に言えば、お外で元気よく遊べる頃には、徐々に学校にも行けるようになって行くのです。

まとめ

学校での環境に問題がなくても、学校で落ち着いて過ごすことができないお子さんがいます。

親としては、「どうして学校に行けないの?」と不安に思いますが、お子さんにもその原因はわからない場合があります。

自閉傾向のお子さんにとっては、普通に学校に行って過ごすだけでも、大きなエネルギーが必要になります。

 

そのため、お母さんは「学校に行けない原因探し」をするのではなく、

お子さんが、困難に立ち向かえるような心のエネルギーを貯められるように、

まずは普段の生活の中で、お子さんを褒めたり、承認するように心がけましょう。

そして、心のエネルギーが十分貯まってきたら、遊びを通じて、徐々にお子さんを外の世界に触れさせてあげましょう。

まずは、焦らずに、お子さんの気持ちに寄り添うことが大事なのではないでしょうか。

 

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