長男は、小さい頃からあまり発語がありません。
成長とともに、自分の名前・物の名称・自分の気持ちが言えるようになってきましたが、日常会話となると難しいです。
でも、ここ最近、長男は自分で便利な言葉を編み出したのです。
その言葉とは・・・?
便利な言葉、それは・・・?
長男が覚えた便利な言葉、それは・・・
「これ」
それは、ある日のこと。
その言葉を長男は、さりげなく使っていました(笑)
新品のペットボトルのフタを開けることができない、長男。
いつもでしたら、「あけてください」もしくは「手伝ってください」と言うのですが、その日はフタを指さして、
「これ」
と一言のみ。
ペットボトルのフタが硬くて開けれないのかなと、状況を察した私。
「ああ、フタね。・・・はい、あけたよ。どうぞ。」
「・・・ありがとう」
長男が「これ」を使い始めた頃は、自分で伝えたい気持ちが出てきたのかなぁ~と思い、嬉しかったです。
しかし、やがてああなるとは、予想もしていませんでした・・・。
いつでも、どこでも、誰にでも・・・
長男は、おそらく「これ」で、自分の考えが通じると思ったのでしょう。
事あるごとに「これ」を連発する長男。
長男による便利な活用法
「これ」(しょう油とって)
「これ」(箸が次男のだよ)
「これ」(宿題の答え合ってる?)
「これ」(DVDの続き、観てもいい?)
「これ」(次男がブロックを貸してくれないんだけど・・・)・・・等
どんだけ「これ」を使うのよ・・・。
伝えたいことはわかるけど、「昭和の親父」みたい・・・(;^ω^)
そして、長男は、「これ」を私以外の人にも使うようになってきました。
主人、学校の先生、次男・・・。
しかし、毎回、長男の「これ」が通じるとは限りませんでした。
便利な言葉が通じない?
長男の「これ」が通じるのは、あくまで周囲の人が状況を見ていた、もしくは習慣でわかることだけであって、次のような時だと何のことやらわかりませんでした。
- ブロックの部品を、長男が希望するところに、はめて欲しいとき
- 次男のブロック作品で、自分が使いたい部品を貸して欲しいとき
- 次男が、テレビのリモコンを勝手に操作するとき
- 学校でブロックをしていたとき、説明書に書いてあるブロックの位置がわからなくて困ったとき・・・等
つまり、「より具体的な説明が必要なとき」には、「これ」では通じなかったのでした。
一所懸命に「これ、これ、これ」と指さしながら、アピールする長男。
アピールもむなしく、相手が自分の考えを理解してくれないときは、諦めたり、イライラしていました。
このままだと、長男のコミュニケーション方法が、「これ」と言うことだけになってしまいそう・・・。
不便だし、理解できないとお互いに辛い。
どうしようかと悩みました。
そこで、ある方法をやってみることになったのです。
初心に帰って・・・
ある日の夕食でのこと。
夕飯は、長男が大好きな餃子。
私は、予め長男から遠いところに、醤油を置いておき、長男の小皿の醤油が切れるのを待ちました。
そして、その時が・・・
「これ」(しょう油とって)
すかさず、私は、
「これって?」
「これ」(※長男心の声:しょう油だって)
「『これ』では、わかりません。言ってください。」
すると、長男ややイライラしたようで、オウム返しで、
「言ってください!」(※心の声:うるさいなぁ!)
若干イラっとしましたが、ここは冷静に・・・と思い、
「『しょう油、とってください』だよね?」
「・・・。」
私は、長男がちゃんと「しょう油、とってください」と言えるのを待ち、しょう油は渡しませんでした。
しばらく待ってみても、長男はなかなか言ってくれないので、初めて要求語「ちょうだい」を練習した時のように、私の方から少しずつ言葉を提示してみました。
「しょ う ゆ ・・・」
「しょう油、とってください」
「わかったよ。どうぞ。」
「・・・ありがとう」(←ちょっと腑に落ちない感じで)
これ以降、できるだけ状況にあった言葉へと変換して、言わせるようにし、上手く言えないときは、一字ずつ提示したりと、長男にとってわかりやすい方法をとるようにしました。
もちろん、家だけではなく、長男が通う学校の先生にも同じように対応をお願いしました。
それからは、長男が「これ」を言う頻度が減ってきたと思います。
長男にとってみると、便利な言葉が使えなくなって、残念だったのかもしれません。
「これ」で相手が分かってくれるから、楽ですしね(笑)
長男にその場に合った言葉を言い直してもらおうとすると、若干、「めんどくさいなぁ・・・」という表情をしています(苦笑)
ときどき、長男の言い方にイラっとするときもありますが、長男なりに頑張ってくれているので、嬉しく思います。
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