毎年、5月の第2日曜日は、「母の日」です。
2021年の母の日は、忘れられない日になりました。
目次
それまでの母の日は・・・
長男が園に通い始めた頃から、毎年、母の日のプレゼントをもらっていました。
ただ、「もらっている」というよりは、「カバンの中から見つけている」という感じでしたね。
保育園の先生から、「今日は、母の日のものを作りましたよ」と教えてもらいます。
でも、長男が保育園で作ってもカバンの中に入れたままですし、長男が取り出して私に「見て見て!」と言ってくれることもなかったです。
長男が特別支援学校の小学部に入学した後も、図工の時間で母の日に贈るプレゼントを作ってくれていました。
でも、それもカバンの中に入れたままですし、連絡帳には「先日図工の時間で作ったものです」と書いてあるだけ。
一度だけ授業参観の中で、お母さんに母の日のプレゼントを渡すということがありましたが、長男はそっけなく無言で、本当に「ただ渡す」だけでしたね。
「仕方がないか・・・」と思いつつ、どこか寂しかったです。
母の日が近づいてくると、街角にカーネーションが販売されたり、母の日に贈るプレゼント特集がいろんなところで見られます。
気にしないようにはしていましたが、私は子供達から、この母の日に「ありがとう」と言われることは、この先ないだろうなと諦めていましたね。
これまで形式的にもらった母の日のプレゼント。
長男が頑張って作ったのはわかるのですが、長男にとっては「図工の時間で作ったもの」なのでしょう。
そう思うと、気が沈みましたね。
ただ、2021年の母の日は、私にとって忘れられない日となったのでした。
2021年の母の日
それは、2021年5月8日の母の日より3日前のことです。
その日は5月5日、子供の日で祝日でしたが、週1回で通っている放課後デイサービスの日でした。
デイサービスから帰ってくると、長男はカバンをガサゴソと何かを取ろうとしていました。
すると、おそらく放課後デイサービスで作成した、1本のカーネーションを取り出してきたのです。
私は、放課後デイサービスの先生からから、このことについて全く知らされていなかったので、驚きましたね。
それに、長男が家以外で作ったものを、カバンから取り出す行動にも、ビックリしました。
私が長男の行動にポカンとしていると、長男がカーネーションをもって、私に近づいてきたのです。
予想外の展開に、私は「え?この後どうなるの?」と心臓がバクバクしていましたね(笑)
すると、長男が私に渡そうと手を伸ばしてきたのですが、ピタッとその手を止めたのです。
「どうしたのだろう?」と思い、長男の顔を見ると、長男は何かを考えているような表情でした。
しばらく、長男の様子を伺っていると、長男がハッとような表情をしたので、何か思い出したのかな?と私が思っていると、長男が伝えてくれました。
「お母さん、いつもありがとう。」
予想外の長男の言葉に、私は驚きました。
そして、「ああ、母の日だ・・・。私に母の日が来たんだ。」と目頭が熱くなりましたね。
初めて「母の日」を実感することができました。
「ありがとう。すごく嬉しいよ」
と、長男に伝えると、長男は嬉しそうに微笑んでくれました。
今年は、忘れられない母の日になりましたね。
長男からもらったカーネーションは、今でも飾っています。
これまでの積み重ねが、ようやく・・・。そして、将来のために。
長男は、小さい頃は発語はほぼなく、療育を始めてから、本当に少しずつ少しずつ言葉が増えていきました。
ちなみに、初めて「おかあさん」と言われたのは、長男が8歳のときでしたね。
長男が特別支援学校の小学部にいるときは、挨拶や要求語などは、言えるようになってきましたが、コミュニケーションができるには、まだまだ程遠かったです。
でも、6年生になったとき、お世話になっている相談専門支援員さんから、ある提案がありました。
それは、「学習支援」のデイサービスに通ってみませんか?でした。
「学習支援」の放課後デイサービスとは?
みなさんがよく知っている放課後デイサービスは、学校が終わった後や、夏休みの長期休暇の時に利用できるなど、「学童保育」のようなところだと思います。
「学童保育」の放課後デイサービスでは、施設にもよりますが、宿題の他に、みんなで遊んだり、わりと自由に過ごせることができます。
もちろん、お子さん一人一人に「個別支援計画書」を立てますので、それに合わせたサポートも行ってくれます。
ただ、学習面に重きを置いていないので、学習をもっとしっかりしたいお子さんにとっては、物足りないかもしれません。
6年生の頃の長男は、生活身辺の自立がほとんどできていたので、学習を重点的に行っていましたが、特別支援学校はもともと、学習よりも生活スキルの向上を重視しているので、学習の授業自体が少なく、自宅だけでの学習には限界がありました。
また、長男は学習もそうですが、中学校進学に向けて、コミュニケーションスキルの向上が必要でした。
なので、もっと学ぶ機会を増やすためには、どうしたらいいのだろうと悩んでいた時、相談支援専門員さんに、現在通っている「学習支援」の放課後デイサービスを勧められたのでした。
長男は、2020年の8月から通い始めました。
ここは、「学童保育」の放課後デイサービスとは違い、施設までは親が送迎し、利用時間は1時間です。
この1時間は、先生とマンツーマンでしっかり学習することとなっており、「塾」のような感じですね。
自分から言葉を発することが苦手な長男ですが、ここに通うことがきっかけで、徐々に私たち家族や、周りの人に「伝えてみよう」という気持ちが溢れてきたのかもしれません。
少しずつ変わっていく長男
中学生になった長男。
学校が地域の中学校の特別支援学級となり、これまでの環境とは全く違っていますが、頑張っています。
同じクラスの子に話しかけることは、まだまだ難しいですが、話しかけられたとき、答えるときもあるそうです。
中学校から帰ってきて、「今日どうだった?」と聞くと、「体育、走った」「楽しかった」と単語と身振り手振りで教えてくれます。
他にも長男は、「ヤバい」など言うときもあったり、「こんな言葉、どこで知ったんだろう?」とビックリすることもありますね。
そのくらい、最近の長男は、言葉をぽつりぽつりと言うようになってきたのです。
これまで、長男とコミュニケーションをとるのに、最初はハンドサインから始め、少しずつ単語を増やし、次は文章で伝えたり、本当に長い時間かかりました。
それでも、健常のお子さんのようにスムーズなコミュニケーションは難しいですが、長男が「どうしたいのか」「どうして欲しいのか」がわかるようになり、お互いに「わからない」ことのストレスが減っていったと思います。
長男の言葉が少しずつ出始めたことは、私達にとってとても嬉しいことですが、何より長男自身が、言葉で相手に伝わることに「嬉しい」と感じていることが何より喜ばしいと思っています。
長男の将来のために
これから将来において、相手に伝える機会は増えていきます。
特に、長男の場合は、自分が困ったときに助けを求めることが必要です。
今は、学校・家・放課後デイサービスで連携して、場面において適切な言葉を言えるように練習しています。
長男にとっても、私達にとっても、この中学校3年間は、あっという間でしょう。
この3年間で学べることを、長男が将来に活かせるようにサポートしていこうと思います。
長男が小さい頃から積み重ねてきたことが、今実るように、この3年間がまた次にことへと繋がるように頑張ります。
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