好きな事を通じて、自閉症の長男が得た5つのスキルとは?

先日、長男の希望で誕生日に、

レゴ・スターウォーズの「ミレニアム・ファルコン」をプレゼントしました。

 

説明書は201ページ。

ブロック数は、1,414個。

長男が今まで組み立てたレゴの中で、ブロック数が一番多かったです。

 

じっくりレゴに取り組んで、制作時間合計:約7時間30分。

完成!

 

長男は、完成したミレニアム・ファルコンを眺めて、感無量でした。

10歳の誕生日プレゼントが、いい思い出になったと思います。

 

今回の長男のチャレンジで、レゴを通じて得たことがわかりました。

レゴを通じて、習得した将来に必要なスキル

集中力

長男が幼児期の頃は、全く集中力はありませんでした。

療育を始めてた頃は、5分もイスに座ることすら難しかったです。

 

しかし、レゴをしている時の長男は、集中していました。

それだけ、夢中になっていたのだと思います。

 

今回のチャレンジで、

  • 午前中:2時間30分
  • 昼食以降:3時間30分
  • 夕食後:1時間30分

合計7時間30分ぐらい、長男は集中してレゴに取り組めました。

好きなことへの集中力は、幼児期に比べると高くなったと思います。

忍耐力

レゴには、ミレニアム・ファルコンのように、説明書通りに組み立てないと、作れないものがあります。

特に基礎となる部分が、1つでもずれてブロックをはめてしまうと、後でやり直しとなってしまいます。

 

幼児期の長男は、自分が思ったとおりにできなかったので、よく癇癪を起こしていました。

そして、癇癪の末、作っていたものをバラバラに・・・。

 

今回は、ミレニアム・ファルコンの基礎部分が、うまくできませんでした。

作っては、間違っていることに気付き、ブロックをはずして、またブロックをはめる。

これを、何回か繰り返していました。

しかし、癇癪を起こすこともなく、泣くこともありませんでした。

 

言葉は出ていませんが、

「どこが、ちがっているんだろう・・・?」

そんな表情で、黙々と取り組んでいる姿を見て、我慢強くなったなぁと思いました。

困った時、助けを求める

発語があまりない自閉症児が、日常生活の中で困っていても、自分から相手に伝えることは難しいです。

 

幼児期の長男は、困っていても私に伝えることができず、ただ怒ったり、泣いたりしていました。

また、私が手伝おうとしても、受け入れてくれず、余計に癇癪を起こすことも・・・。

 

ミレニアム・ファルコンの制作中、長男は上手にできない時が、何度もありました。

しかし、長男は「てつだってください」と言って、私達に呼びかけ、助けを求めることができていたのです。

 

また、私達が説明書を見て、間違えているところを指摘したり、

長男が作った箇所を、私達が少し作り直しても、怒ったりすることはありませんでした。

むしろ、上手くいったことが嬉しそうに見えました。

「ありがとう」が言える

私達は、普段から挨拶をきちんと言うことを、子供達に伝えています。

 

幼児期の長男は、発語は殆どなかったです。

そのため、「ありがとう」も言えませんでした。

 

今回、何度か長男をサポートすることが、ありました。

ブロックを組み直したり、説明書を見ながらアドバイス・・・など。

私達のサポートで、うまくできたのが嬉しくて、長男は「ありがとう」と私達に伝えてくれました。

その姿をみると、こちらも嬉しくなりましたね。

自分の意思を伝える

自閉症児によっては、自分の意思を相手に伝えることのが苦手です。

 

幼児期の長男は、例えば、お茶が飲みたい時は、私の手を持って、冷蔵庫の前まで引っ張っていました。

この行動は、クレーン現象といいます。

私に要求がある時は、主にこの行動をしていました。

しかし、私に何を要求しているのか、わかる時とわかない時がありました。

 

今回、夕食のあと長男に、この続きをするかどうか、聞いてみました。

私「レゴの続き、する?しない?」

長男「する!」

もう少しで寝る時間でしたが、完成まであと少しだったのと、

本人の意思を尊重して、最後までさせてみることにしました。

 

完成したときの長男は、とても満足気で、

「完成」という達成感で、心が満たされている感じがしました。

 

この5つのスキルは、子ども達が将来、社会に出るときに役に立つと思います。

  • 仕事に集中して取り組める
  • 仕事がうまくできなくても投げ出さない
  • 困った時、誰かに助けを求めることができる
  • 助けてもらったら、お礼が言える
  • 自分の気持ちを、相手に伝えることができる

 

私達は、子ども達にこのスキルを獲得できるように、サポートしています。

参考になれば、嬉しいです。

どうやって子どもをサポートする?

子どもの好きな事をみつける

「うちの子は、どんなことに興味があるのかわからない・・・」

長男が幼児期の時に、私も同じ悩みを持っていました。

 

誰にでも、産まれた時から持っているものは、何だと思いますか?

多くの方は、「才能」と答えたと思います。

実は、才能ではなく「適正」なのです。

 

人には、それぞれ得手不得手があります。

「得意なこと」・「好きなこと」だったら、楽しいし、集中できますよね?

 

長男は、幼児期にレゴ以外に、ぬいぐるみ、音が出る本、子供用のおもちゃピアノ等がありました。

でも、集中して遊んでいたのが、レゴでした。

 

まずは、お子さんが集中して遊んでいることに、注目してみてください。

もしくは、お子さんと一緒に遊んだ時、

この遊びが楽しいのか?

もっとこの遊びをしたいのか?

お子さんの反応を、気をつけてみてください。

好きな事をじっくりできる時間をつくる

子どもが好きな事をしているとき、集中力が鍛えられます。

 

今回の長男のレゴチャレンジは、時間がかかることを想定していたので、土曜日に行いました。

土曜日だったら、長男は学校が休みです。

それに、私やパパも休日なので、長男のサポートができます。

また、土曜日に完成できなくても、日曜日に余裕を持って取り組めたと思います。

 

もし、平日しかできない場合だったら、スケジュールを作っていたでしょう。

例えば、紙やホワイトボードに、「19:00~20:00 レゴができる」と書き、長男に伝えます。

そして、「終わり」がわかるように、タイマーをかけるなど、

長男が短時間でも、集中できるようにしていたと思います。

 

曜日や時間を指定する時、気をつけていることがあります。

緊急なことでない限り、約束した日・時間は、必ず守ることです。

子ども達に約束を守ることを教えるためにも、まずは自分達が実行することが大事だと思います。

適切な行動へ繋げる

あなたのお子さんは、好きな事をしていても、癇癪やパニックを起こすことがありませんか?

長男も、レゴをしているとき、上手くできなくて癇癪を起こしたことがあります。

 

癇癪を起こした時は、冷静な対応が必要です。

お子さんの癇癪に、ついイライラしてしまうかもしれません。

でも、お子さんが、癇癪をおこさず、適切な行動ができたら、お互いにいいですよね。

よろしければ、下記の記事を参考にしてください。

子どもの癇癪がつらい。どう付き合えばいいの?

 

また、「てつだってください」や「ありがとう」の練習は、同時にできます。

レゴブロック同士が固くて、外れない時に、長男が私のところへ持ってくるので、その機会を逃しませんでした。

 

最初は、オウム返しを利用して、「てつだってください」を言えるようにし、

だいたい言えるようになってからは、長男が自分から言うまで、私はその場で待ちました。

長男が、なかなか言えない時は、「て・つ・だっ・て・・・」と、

少しずつ単語を私が言って、言えるように練習しました。

 

そして、私が固いレゴブロックを外してあげた時、すぐに長男へ渡しませんでした。

これもオウム返しを利用して、「ありがとう」と長男が言ってから、ブロックを渡しました。

だいたい言えるようになってからは、長男が自分から言うまで、私は、ブロックを渡さないで待ちます。

長男が、なかなか言えないときは、「あ・り・が・と・う」と、少しずつ手がかりを出してあげました。

 

スモールステップを踏んで、焦らず取り組んでみてください。

「選択」を使って、子どもの気持ちを理解する

長男が幼児期の頃、殆ど発語はありませんでした。

そのため、長男の好みや気持ちがわからないことに、不安を感じていました。

 

そこで、まずは「二者択一」を使って、長男が簡単な意思表示ができる練習を始めました。

そして、徐々にステップアップし、今回のレゴ・チャレンジにも活用できました。

よろしければ、下記の記事を参考にしてください。

子どもの気持ちがわかってくる!そのために必要なスキルとは?

まとめ

子どもに好きな事をさせることで、将来役に立つスキルを獲得することができます。

  • 集中力
  • 忍耐力
  • 困った時に、助けを求める
  • 「ありがとう」が言える
  • 自分の意思を伝える

ただ、好きな事をさせるだけでは、これらのスキルは身につくことはできません。

まずは、ご両親が、お子さんの様子を見守るようにしてください。

そして、お子さんが、好きな事ができるように、時間を作ってあげてください。

お子さんが困ったりした時は、適切なサポートをお願いします。

 

また、お子さんが好きな事をして、何か作ったり、目標を達成できた時は、

お子さんの頑張りを必ず褒めてください。

お子さんと「できた!」という喜びを分かち合ってください。

それによって、お子さんの次へのモチベーションに繋がると思います。

 

今回のレゴ・チャレンジを動画にてまとめました。

長男の頑張りを、よろしければご覧ください。

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この本の中には、これまで私達が体験してきたいろいろなエピソードを基に、私達が感じた不安や、不安を感じつつも、やってきて良かったと思ったこと、そして、自閉症の子供を健やかに育てるために、幼児期から気を付ける7つのことが書かれています。
かつての私達と同じように、将来に対する不安を抱えているお母さんや、お子さんに診断が出て戸惑っているお母さん、不安になっているお母さん達の心の負担がきっと軽くなるでしょう。

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