子どもの癇癪がつらい。どう付き合えばいいの?

自閉症児が起こす癇癪は、辛いですね。

我が家の子供達も、幼児期の癇癪は酷かったです。

気に入らないと物を壊す

大きな声で叫ぶ・泣く

相手に噛み付く

こんな日がいつまで続くのだろう・・・と途方に暮れた日もありました。

でも、子供達も同じように辛い思いをしていたのです。

幼児期の癇癪は、子どものSOS

幼児期の自閉症児は、自分の要求が叶わないことに対して、癇癪をよく起こします。

  • 飲み物が欲しいのに、伝えられない。
  • おもちゃを貸して欲しいのに、伝えられない。
  • まだ遊びたいのに、伝えられない。

自閉症児は、自分の気持ちを、親にうまく伝えることができません。

そのため、癇癪を起こすことが、親に自分の気持ちを伝える手段になってしまいます。

でも、親にとってみれば、何で子どもが怒っているのか、さっぱりわかりません。

あなたも、こう思ったことありませんか?

 

どうしてこの子は、こんなに泣くのだろう?

どうしてこの子は、こんなに怒るのだろう?

 

親は、子供の癇癪の原因がよくわからず、右往左往するしかありません。

子供も、自分の気持ちが全くに親へ伝わらないため、泣いたり怒ったりなどの癇癪続けて訴えるしかないのです。

子供達は、単に気に入らないから癇癪を起こすわけではありません。

必ずそれには、原因があります。

でも、その原因を把握することができれば、お互いに日常生活が過ごしやすくなるのです。

 

では、どうしたら子供の癇癪の原因を把握することができるでしょうか?

癇癪の原因を見つけるには?

癇癪は、原因さえわかれば、ある程度は対処することができます。

次のことを簡潔でいいので、ノートに書いてみてください。

  • その癇癪は、どんな状況で起こりますか?
  • その癇癪は、どんなパターンがありますか?

 

(例)

【どんな状況?】

レゴブロックで、何かを組み立てている時

【どんなパターン?】

  1. 突然怒り出して、泣きながらブロックを壊す
  2. 私が一緒に遊ぼうとすると、泣きながらブロックを壊す

これは、長男が幼児期の時の癇癪の一例です。

 

子供の癇癪のことをノートに書きためるのには、理由があります。

  1. あとで冷静に、子供の癇癪の対応策を考えることができる
  2. パートナーや他の家族に説明がしやすい

癇癪が起きたときに、その時、その時の対応では、適切な対処ができていないかもしれません。

また、お子さんが癇癪を起こすその度毎に対応が変わると、お子さんに混乱を招いてしまいます。

 

お子さんの癇癪への対応は、家族が一貫した同じ方法をとらなければいけません。

そのための情報共有の方法として、ノートが役に立つと思います。

癇癪の対処法

癇癪の原因がわかれば、その原因によって、個別に対応します。

予め予想できる場合

癇癪の原因が、予め予想できる場合は、避けるようにします。

先ほどの例:「私が一緒に遊ぼうとすると、泣きながらブロックを壊す」

これは、長男にとって、まだ誰かと遊ぶことを許容できる時期ではなかったのです。

そのため、長男がブロックをしている時は、ブロックに触らず、少し長男から離れたところから見守るようにしました。

 

でも、場合によっては、予想できても、避けられないこともありますよね?

例えば、「突然怒り出して、泣きながらブロックを壊す」

長男にとって上手くできない時や、イライラした時にに起こる癇癪です。

そんな時は、なるべく穏やかに「大丈夫だよ」「次は、うまくできるよ」と話しかけるようにします。

 

ただ、お子さんによっては、話しかけるタイミングが違っています。

我が家の長男の場合は、泣いたり怒ったり、感情が落ち着くまで、しばらく様子をみるようにしていました。

そして、落ち着いてから、話しかけると私の言葉や指示が通りやすかったです。

このタイミングは、お子さんが大きくなった時にも有効になります。

要求に応える場合

お子さんの要求に応える場合は、注意があります。

例えば、お子さんが飲み物を欲しくて癇癪を起こした場合、すぐに渡してはいけません。

「お母さんは、ぼくが泣いたり、叫んだりすれば、お茶をくれる」

お子さんは、このように学習してしまう可能性があるからです。

では、どうすればいいでしょうか?

 

次のような方法があります。

お茶の絵が書いてあるカードを渡してくれれば、お茶をあげる

「おちゃ」と言えば、もしくはそれらしいことが言えれば、お茶をあげる

必ず何をして欲しいのかを、子供から相手に伝えるようにするのです。

 

もちろん、最初から上手くいかないし、練習が必要になると思います。

でも、お子さんが、適切な行動をとれるまでは、親は毅然とした態度をとる必要があります。

あなたにとって、辛い練習になるかもしれません。

お子さんが適切な行動がとれた時は、必ずたくさん褒めてください。

それによって、お子さんのやる気に繋がるし、正しい要求のやり方を、学んでいけるのだと思います。

要求に応えることができない場合

お子さんが適切な行動で要求してきても、応えることができない場合がありますよね?

例えば、家に早く帰らないといけないのに、お子さんはまだ公園で遊びたいと言ったとき等です。

こういったケースでは、お子さんは「できない」とわかると、ほぼ癇癪を起こすと思います。

 

その場合、できるだけ早く、大騒ぎせず、穏やかに、その場から移動しましょう。

移動している間、お子さんはずっと泣いたり、あなたに対して怒ったりするかもしれません。

あなたはイライラするかもしれません。

でも、なるべく穏やかに、調子を押さえた口調で、お子さんに対応してください。

 

お子さんによっては、家に帰っても癇癪が治まらない時もあります。

その場合は、癇癪が治まるまで、しばらく様子をみてください。

本人が落ち着く場所にいさせるのも、有効です。

そして、十分に落ち着いた頃を見計らって、おやつ等の他の事に気をそらせる方法もあります。

 

先ほどの公園での事例の場合、他にも方法があります。

  • 帰る10分前にタイマーをかけ、タイマーが鳴ったら帰ることを子供に伝える
  • 公園から帰ったら、おやつが食べれる

癇癪に対して、どんな関わり方が有効かは、実際にトライしてみないとわかないことが多々あります。

試行錯誤の上で、お子さんが適切な行動ができたときが、一番有効な対処なのです。

まとめ

子供の癇癪には、必ず原因があります。

お子さんの「癇癪パターン」をノートに記録して、原因を明確にしましょう。

 

また、その原因を家族みんなで把握しておきます。

そして、癇癪に対して、みんなで同じ対処をしていくことが大事です。

それを繰り返すことで、お子さんや家族が日常生活の中で、お互いに過ごしやすくなると思います。

 

お子さんに対して、イライラしたりするかもしれません。

もしくは、噛まれたりなど、攻撃されるかもしれません。

あなたが、感情的に怒ってしまっても、お子さんの癇癪は治まりません。

お子さんが癇癪を起こしている最中は、なるべく穏やかに、調子を押さえた口調で対処してください。

 

お子さんの癇癪に対して、有効な対処法はあると思います。

それを見つけるには、実際に試行錯誤する必要があります。

大変だったり、辛かったりすることも、多いかもしれません。

でも、それができたとき、家族の絆もさらに深まると思います。

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