うちの子は落ち着きがない。どうして、じっとしていられないの?

我が家の子供達は、幼児期が特に落ち着きがありませんでした。

そのため、外出する度に大変でした。

落ち着きがなかった幼児期

長男は、家にいるときは静かに遊ぶタイプです。

しかし、外出をすると落ち着きがなくなり、私は長男の後ろを走って追いかけてばかり・・・。

 

健康診査や虫歯予防教室のために保健センターに行く時が特に大変で、私は毎回手を焼いていました。

保健センターに到着すると、廊下を走る長男。

そして、2階に行く階段を上ったり、降りたりを繰り返して、じっとしていられない。

 

長男が走り回るので、他のお子さんやお母さんにぶつかることもありました。

私はあちこち謝っている間、長男は知らん顔。

そして、また長男は走り出し、今度は机の上に登ってしまう・・・。

 

ふと周りを見てみると、他の子どもは、お母さんの膝の上に乗って、

絵本を読んでもらったり、お母さんや子供同士で遊んでいる・・・。

どうして、長男だけ・・・と悲しくなったのを覚えています。

 

では、どうして長男は、落ち着いていられなかったのでしょうか?

どうして、落ち着いていられないのか?

私達は、無意識・無自覚に平衡感覚を使っていることは、ご存知ですか?

あなたが、この記事を見ている今も、「イスに座る」という平衡感覚が使われています。

 

子どもに、この平衡感覚の刺激を受け止める回路にトラブルがあると、次のようなことがあります。

  • イスの背もたれにもたれかかる
  • 机に突っ伏してしまう
  • 床の上で寝そべってしまう
  • 鉄棒にしがみつけない
  • おもちゃの車のタイヤが回転してるのを、ずっと見てる
  • 手をかざして、指を動かし、明るさの変化を楽しむ

あなたのお子さんに、該当することはありませんか?

 

この平衡感覚の刺激を受け止める回路が、うまくつながっていなかったり、

もしくは、ずっとつながっている状態がいると、「感じ方の鈍さ」として次の新たな状態に繋がっていきます。

つまり、脳は「感覚情報が不足している」と感じた時に、足りない分を補おうとする行動を作り出すのです。

これが、「自己刺激行動」が起こる仕組みとなります。

 

長男が、走り回ったり、じっとすることができなかったのは、

おそらく、平衡感覚と関係のある耳の「三半規管」や「耳石器(じせきき)」に、

強い刺激を入れるための無意識の行動と考えられます。

 

ちなみに、「落ち着きがない」または「多動がある」子ども達の中には、

平均台をスルリと渡ったり、高いところにでも平気でよじ登れる子がいます。

そのため、バランス感覚がとても発達していると思われがちです。

 

しかし、実際はその逆です。

本当の意味でバランス感覚が良いというのは、

「ゆっくり、じっくり、調節的に」という行動ができることです。

例えば、自転車をこぐ時に、一定のスピードが出た方が安定します。

反対に、ゆっくり自転車をこぐのは、難しいですよね。

 

多動の子ども達の場合、行動は激しく、パターン的だと言われています。

そのため、「ゆっくり、じっくり、調節的に」という行動は、苦手なのです。

自己刺激行動を改善するには?

落ち着きがない子ども達に「じっと座っていなさい」と言っても、難しいでしょう。

しかし、「ずっと走っていなさい」というのでは、常に刺激がある状態になってしまいます。

では、どうしたらいいでしょうか?

 

大切なのは、子どもの「脳の状態に」に見合った「適切な感覚情報」を提供していくことです。

落ち着きがないという多動の背景には、「平衡感覚系」の反応の鈍さが原因である可能性が高いと言われています。

そのため、「揺れ遊び」や「回転遊び」を取り入れることで、改善する場合があります。

 

我が家では、「回転遊び」だと、子どもを横向きに抱っこして、グルグル回していました。

他には、回転イスに乗せて、クルクル回すこともやってみました。

 

「揺れ遊び」だと、バランスボールやハンモックを利用しました(※トランポリンでもOK)

ただ、子どもだけで遊ばせるのではなく、親と一緒にするように心がけていました。

 

バランスボールだったら、子どもの手をとりながら、

「1・2・3!」という掛け声で、ボールの上で弾むように促したりしていました。

ハンモックも、子どもをハンモックに乗せて、掛け声と共にゆっくりと揺らしていました。

ただ、これらの遊びは、お子さんによっては苦手なこともあります。

例えば、「ブランコに乗れるけど、トランポリンができない」です。

 

これは、「前庭・自律神経系」もしくは「固有覚」の回路トラブルによる、

「重力不安」「姿勢不安」が原因かもしれません。

そのため、「練習すればできる」、「頑張ればできる」と親が思い込んで、

お子さんに無理にさせないように気をつけてください。

 

大事なことは、お子さんがまず、「平衡感覚」を使う遊びを楽しんですることです。

お子さんの笑顔や、例えば「もう1回!」というアピールがあれば、その遊びが適していると思います。

繰り返していくと、お子さんの多動が減り、落ち着きを取り戻すかもしれません。

 

現在の長男は、退屈な時には、手をヒラヒラさせて、自己刺激行動をするときがあります。

でも、生活に支障が出たりする程度ではありません。

幼児期の頃に比べると、落ち着きがあるようになったと思います。

そのため、一緒に出掛けたり、買い物をすることが、とても楽しく思います。

よろしければ、参考にしてください。

まとめ

子どもの行動が多動なのは、原因の1つとして、平衡感覚の刺激を受ける回路に関係があるようです。

この回路が、うまく繋がっていなかったり、繋がりっぱなしだと、

脳は「感覚が不足している」と感じてしまいます。

 

そのため、感覚を補うために、走り回ったり、飛び跳ねたり、高いところに登るなど、

無意識に自己刺激行動を起こすのです。

 

平衡感覚を使う遊びを取り入れると、この自己刺激行動は改善するかもしれません。

(例えば、子どもを抱えてくるくる回る「回転遊び」や、バランスボールを使った「揺れ遊び」)

ただ、お子さんによっては得手不得手の遊びがあります。

必ずお子さんの様子を見ながら、一緒に遊ぶように心がけてみてください。

参考になれば、嬉しいです。

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