先日、本棚を整頓していたら、一冊のノートが出てきました。
タイトルは、「長男と次男の成長日記」。
日付は、2012年9月2日~2013年4月6日。
長男は4歳で、次男は2歳になる頃でした。
2012年9月2日は、長男が幼保園に入園した日。
当時の私は、幼保園での出来事を後から見返すことができるように、日記をつけ始めたのだと思います。
目次
その頃の2人は・・・?
記録を読み返していくと、「こんなことあったな~」と懐かしく思いました。
また、当時、子育てに奮闘していた自分のことも、思い出しました。
よく泣いていた長男
4歳頃の長男は・・・
- トイレトレーニング中
- 偏食がある
- 思い通りにならないとパニックを起こして泣く
- オウム返しが少しできる
- 月に1回の療育に通っていた・・・など
まだできることがとても少なく、行動面も落ち着きがありませんでした。
日記には、お迎えの時に加配の先生から聞いた「長男のその日の様子」を中心に、まとめてありました。
日記を読み返してみると、入園当初は、園での生活に慣れるまで、
加配の先生がついているとはいえ、長男は大変だったようです。
特に、初めての集団行動や、初めての行事(運動会・お遊戯会・クリスマス会など)があるたび、
戸惑いも多く、よく泣いていた長男。
気持ちの切り替えがうまくできず、よくパニックを起こしていました。
例えば・・・
- 園庭の遊び場から、教室に戻る時
- 登園後に、カバンをしまわず、連絡帳を出さずに、遊び場に行こうとした時
- 散歩から園に戻る時
給食も殆ど食べず、完食できるのは白いご飯だけ・・・。
でも次第に、給食を完食できる日があったり、オムツを濡らすことなく、トイレにいける日があったり等、園での生活パターンに慣れていきました。
まだまだ気持ちの切り替えが上手くいかないときもありましたが、半年の間で、ずいぶん成長したのだなぁと、しみじみ思いました。
「自閉症スペクトラム障害」と診断される前の次男
次男は、日記の中にたまに登場していました。
2歳頃の次男は・・・
- わざと部屋の隅でおしっこをする
- 家の中のものを壊す
- 高い所に登ろうとする
- 窓から外へ出ようとする
- 絵本をビリビリに破く
- 発語は少しだけ・・・など
常に落ち着きがなく、手を焼いてばかりで、とても大変でした。
特に、わざとおしっこをすることが、多い時は1日3回の時があり、
私が怒っても、ニヤニヤ笑っているだけ・・・。
次男の対応に、「疲れた・・・」と書いてある日がいくつかありました。
この半年後に、次男は「自閉症スペクトラム障害」と診断されました。
今、改めてこの時期を振り返ってみると、長男とはタイプが違うけれど、
自閉症と診断される子供の行動の特徴に、よく当てはまっていたと思います。
当時の自分はどうだった?
記録を読み返していくと、自分が覚えていたことや、すっかり忘れていたこともありました。
また、懐かしく思うと同時に、当時の辛かったことも思い出されました。
私は、長男の園での集団生活に不安がありましたが、
他の子供と過ごすことで、何かしら長男に良い影響があるかもしれないという期待をしていました。
そのため、園の加配の先生といつも連携して、「長男にとって、どうすることが良い結果をもたらすか?」を試行錯誤しながら奮闘していました。
何か少しでもできたことがあれば、私はとても嬉しかったようです。
日記の中には、「できたね!」「すごいよ!」「頑張ったね!」という言葉がたくさん溢れていました。
その一方で、当然ながら嬉しいことばかりではありませんでした。
それは、次年度の長男の加配の件で、先生との面談をした時のことです。
先生から、長男が些細なこだわりが多いため、対応に困ることと、
できていることが少ないので、家でもっと練習して欲しいことを言われたからです。
先生からの説明を聞いて、私が思っているよりも、「健常の子供達と比べれば、長男の様子やできること」は、まだまだ少なかった・・・。
ガーン・・・。
この日、私はかなり落ち込みました。
長男が自閉症と診断された頃の、私のメンタルだったら、そこから立ち直れなかったのではないかと思います。
先生からはっきり本音を言われた時は、かなり「えー!」とショックでした。
主人にその話をしている最中も、ショックで涙が止まらなかったです。
でも、そこから前向きに「じゃあ、どうしたらいいのだろう?」と、踏み出すことができたのです。
それはきっと、この子の「できる力」を信じていたからだと思います。
確かに、何か1つのことができるまで、他の子供よりもとても時間がかかりますし、たくさんの練習が必要です。
上手くできないときは、スモールステップでやり方を変えたり、1つ前に戻ったりしていました。
着替えや、箸の使い方や園の用意などなど、色々な困難がありましたが、結局はこの子なりに乗り越えていくことができたからです。
ですから、「いずれ、できるようになる。」と前向きに考えれるようになったのでしょう。
2018年4月6日の最後の日記の中に、こう書かれていました。
9月から幼保園に入って、だいたい半年たちました。
運動会があったり、お遊戯会があたり、クリスマス会や節分があったりと、行事がいろいろあったね。
少しずつだけど、園にもなれて、少しずつやれることが増えていって、ママは嬉しかったです。
まだまだ、できないことは多いけど、一つ一つ頑張って、乗り越えようね。
パパも次男もいるから、きっと大丈夫だよ。
もちろん、今でも長男の「できる力」を信じています。
現在の2人は・・・?
現在(2018年12月時点)の2人は、6年前に比べると大きく成長しました。
子供から大人へ向かう長男
10歳の長男は・・・
- トイレは自分で行ける
- もやし以外はだいたい食べれる
- 思い通りにならないと怒る時もあるが、怒らないときもある
- 発語はまだ乏しいが、自分の気持ちや要求を伝えようとする
- 特別支援学校に所属・・・など
6年前に比べると、落ち着きもあり、できることも増えました。
長男が自閉症と診断されて、約7年間。
療育や家での取り組みの積み重ねが、今の長男を築いているのだと思います。
最近は、10歳ということもあり、気持ちの変化があるようです。
いわゆる「反抗期」です。
長男が少しずつ成長し、大人に近づいているのだなぁと感じています。
ムードメーカーの次男
8歳の次男は・・・
- 発語は多くなったけど、自分が言いたいことが中心
- 普段は、人懐っこくて、元気いっぱい
- 気持ちに整理が付かない時は、拗ねたりする
- 落ち着きがなく、目に入ったものが気になる
- 特別支援学級に所属・・・など
6年前に私が悩んでいた次男の問題行動は、今ではありませんが、
成長すると共に、別の悩みが出てきています・・・。
でも、長男と一緒にブロックを使って遊んだり、
主人と一緒にゲームで盛り上がったり、私のお手伝いをしてくれたり等、
今では、我が家の中心となっています。
子供達に対しては、まだまだ心配なことが多いです。
中学校、高校への進学・就職やその後のこと。
将来への希望はありますが、現実もきちんと直視しないといけない時が来ると思います。
その時は、子供達の力量や、子供達の気持ちに寄り添って、サポートしていきたいです。
日記が教えてくれたこと
約半年間の日記でしたが、当時の自分のことを客観視することができたと思います。
その頃は、その日その日を過ごすだけで、精一杯でした。
子供達のことで、嬉しかったことや、悲しかったこと、辛かったこと・・・。
いろんな出来事を受け止めながら、前に進もうと一所懸命だったのだと改めて感じました。
また、子供達がこの半年の間で、劇的に何か変化したことはありませんでしたが、
少しずつ、少しずつ、できる事を積み重ねていたのだと思います。
そう思えるのは、現在の子供達に確実に繋がっていることが、今、実感できているからかもしれません。
だから、子供達の次のステップへと繋ぐために、子供達の今までの頑張りを大事にして、
過去に頑張ってきた自分を、これからの励みにしようと思いました。
私たちは、色々な方からご相談いただく中で、もし余裕があるのであれば、子育ての記録をつけることをお勧めしています。
些細なことでも、後から読み返すことで気づくことがありますし、
その時はいっぱい、いっぱいで余裕がなくても、後から読み返すと、
考えが整理されたり、「案外なんとかなったね。」というふうに、客観的に見返すことができるからです。
いかがでしょうか?
参考になれば幸いです。
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