「おちゃください。」
自閉症スペクトラムのお子さんで、発語がないお子さんの場合、この言葉がでるまでに皆さん苦労されていると思います。
我が家では、5歳頃になってこの言葉がでるまでに約2年かかりました。
我が家がどのように取り組んできたか、まとめました。
参考になれば、嬉しいです。
まずは動作から
最初に、パズルで遊ぶところから始めました。
まず始めに、TV等はすべて消して、子供の気が散らないよう、落ち着ける空間を作ります。
お外が気になるお子さんは、カーテンを閉めても良いかもしれません。
親は、子供とテーブルに向かい合わせになるように座ります。
そして、パズルのピースを親が持ち、一つずつ渡していきます。
最初はちゃんとはめていないのに、親から次々にピースを取ろうとしたり、そもそもピースをはめなかったりします。
そのため、最初の頃は、もう1人がお子さんの介助をしてあげてください。
子供の後ろに座り、子供の手を取って、お子さんが型にはめるのを手助けしてください。
介助の仕方も、最初は、お子さんの手を取って一緒にやります。
できるようになれば、置く場所をトントンと指差ししたり、形の上下をちょっと合わせてあげたりして、徐々に介助を減らしていきます。
介助ありでも、ちゃんとはめることができたら、「できましたね~」「やったね~」とよく褒めてあげます。
最初は1ピースはめることができただけでも、大げさに褒めてあげるといいです。
長男は、最初の頃、5分じっと座っていることもできませんでした。
あっちにフラフラ、こっちにフラフラ・・・。
しかし、続けることによって、次第に長くできるようになりました。
簡単な型はめでしたら、比較的早くできるようになったと思います。
ある程度できるようになったら、次の段階へと進みます。
次は、お子さんに手のひらと手の甲をぺちぺちさせて(くださいの形)から、ピースを渡すようにします。
これも、最初は、介助して、徐々に減らしていってください。
くださいのサインを出さない時には、親の方から、くださいのサインをしてあげると、真似をするようになります。
繰り返すうちに、そのうち、自分からくださいのサインを出せるようになります。
2、3歳の子供は集中が長くは続きません。
子供の様子を見ながら、最初は10分間やってみるとか、時間を決めて挑戦してみてはどうでしょうか?
気をつけること
実施するうえで注意したことは、「子供のペース、かつ親の主導」でという点です。
子供によっては、時間がかかったり、なかなか上達しなかったりします。
でも、親が焦ることなく、ゆっくりでいいので、子供のペースで少しずつできるように誘導してあげてください。
また、子供に渡すピース等は親が判断し、子供に委ねません。
渡されたピースが難しくてはめれないのは、しょうがないことです。
そんな時は、ヒントをあげたり、違うピースに変えたりしてください。
しかし、「次は、円いピースじゃないといやだ」みたいなこだわりには、気をつけてください。
基本的には、いい子にしていたら、いいことがある。
駄々をこねても特にいいことはない。ということを徹底します。
また、親としては、次々に難しい課題に挑戦させようと焦ります。
経験談ですので間違いないと思います。
しかし・・・
- ちょうだいのサインができるようになる。
- できたときにも、全く相手の顔を見なかったのが、徐々に、できた時に相手の顔を見るようになったりする
これが、とても大事だと思います。
特にできた時に、親の目を見つめるようになったら、いい兆候です(感情の共有)
もちろん、ちょっとづつ難しい課題にステップアップしないと意味はないかもしれません。
でも、今課題ができるようになることだけが、目的ではないですよね?
コミュニケーションの向上が、最大の目標ということを、常に意識できたらいいと思います。
一番最初に使用した型はめのパズルは、下記のようなものです。
お互いのストレスが減る
くださいのサインができるようになるだけで、日常の生活がだいぶ違います。
今まで、のどが渇いても伝えることさえ満足にできず、泣き叫んだりしていました。
でも、これによって、ひとまず何か欲しい時は、手をぺちぺちして、意思表示してくれる。
例えば、「蔵庫の前でぺちぺち→お茶を出してみる」とかです。
とっかかりがあるだけで、お互いのストレスが減ります。
そして、ここから、徐々に要求の種類を増やすため、カードを利用したり、発語の練習等バリエーションを増やしていきます。
ちなみに、比較的、物の名前を教えることは楽でした。
でも、形に見えないことを教えることは、なかなか難しいです。
例えば、暑い、寒い、痛い、フーフーする、鼻紙でチーンする等
その他にも、お腹が痛いや、頭が痛い、目がかゆい、痛い等を伝えてもらうのはとても難しいです。
そのため、普段から子供の体調管理には、細心の注意を払う必要があります。
これらについても、また別のテーマで書くことにいたします。
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