お子さんが自閉症だと診断されて、あなたはどんな気持ちでしたか?
ほとんどの方は、信じられなかったと思います。
どうして、うちの子が・・・?
そんな筈がない・・・。
子どもの障がいを受け入れるのは、容易なことではありません。
障がいを受容するまでには、5つの過程があるからです。
障がい受容までのプロセス
子どもの障がいを受容するまで、様々な考察があります。
その中でも、共通する5つのプロセスをご紹介いたします。
ショック
子どもが診察を受ける前、半信半疑ではありませんでしたか?
「子どもは、自閉症かもしれない」と。
でも、それが医師による確定になると、やはり親は多かれ少なかれショックを受けます。
否認
ただ、「子どもが自閉症」という現実を、親は感情的には認めたくありません。
中には、診断をした医師に対して、激昂する人もいると思います。
特に、普段からお子さんと過ごす時間が短い、お父さんや祖父母が、頑なに認めない傾向にあります。
悲しみと怒り
そして、親はさらに複雑な心境に陥ります。
もっと早くに気付いていれば、よかったのに。
何が原因だったの?
本当に私のせいではない?
これから将来はどうなるの?
将来に対する不安・焦り、周囲の落胆・誤解、自分への怒り・・・。
常に、不安定な気持ちになりやすくなります。
適応
お子さんが療育施設に通ったり、あなたが障がいに関する本を読むことで、障がいに対しての正しい知識が、次第に身についてきます。
それによって、自閉症児の本質を、理解することができるのです。
そして、不安定な気持ちから脱却することができ、お子さんの障がいに寄り添うことができます。
再起
そして、お子さんが頑張って、少しずつ成長している姿をみると、親も行動を起こし始めます。
子どものために、将来のことを考えよう。
子どものために、自分にできることをやろう。
つまり、子どもの障がいを受容し、子どもや将来に対して前向きな気持ちになれるのです。
参考:「軽度発達障害児をもつ親への支援」 著 岩崎久志・海蔵寺陽子
障がいを受容するまで、時間はかかります。
また、人によって、受容するまでの時間は違います。
受容までの期間は人による
人によって、考え方は違いますよね?
そのため、子どもの障がい受容まで、人によっては期間が短かったり、長かったりします。
特にお父さんは、なかなかお子さんの障がいを、受容することができません。
でも、受容できないといって、お父さんを責めることはしないでください。
普段から子どもとの接点が少ないお父さんの場合だと、
「うちの子に限ってそんなことはない。お前の気のせいじゃないのか?」
となり、夫婦仲が険悪になるケースは、少なくありません。
お母さんは、カッとならないで、冷静に対応してみてください。
または、お父さんをお子さんが通っている療育機関へと、一緒に来てもらうのはいかがでしょうか?
そこで、お父さんが疑問に思っていることを、先生に直接聞いて、先生から答えてもらうのも効果的だと思います。
自閉症児を持つお父さんにできることは、たくさんあります。
以前に、記事を書いたので、参考になれば嬉しいです。
受容できなくても
受容ができるまで時間はかかります。
でもその間、「何もしない」だけは、避けてください。
確かにお子さんに診断がでたとき、あなたはショックでいっぱいです。
さらに、追い討ちをかけるように、医師から療育手帳の取得を勧められるかもしれません。
現実を突きつけられて、目を逸らしたくなりますよね?
「どうして、しないといけないの?」と。
でも、お子さんの将来に必要なことだったら、どうしますか?
療育手帳のことを調べず、親の気持ちだけで判断しては、お子さんの将来を閉ざしてしまいます。
療育に関してもそうです。
お子さんの障がいを受容できなくても、お子さんにとって大事なことは、検討からでもいいので、前向きに考えてみてください。
何もしないで、後々その大事さに気づいた時、あなたは後悔してしまうかもしれません。
私が子どもの障がいを受容できた時
私は、長男が自閉症と診断された時、自分の育て方が原因でないとわかって、ホッとしました。
でも、ショックで涙が溢れて、止まらなかったのを覚えています。
パパの方が、長男の障がいを受容できたのが、早かったです。
そのため、長男のためにできることを調べたりして、奔走していました。
私は、療育方針が決まった後、昼間は家事や育児をしつつ、長男の療育を病院と自宅で行っていました。
ただ、夜、子供達を寝かしつけて一人になると、私は不安・焦りの中にいました。
これから、どうなるのだろう?
このまま、この療育でいいのかな?
長男は、発達するのかな?
答えがでないものばかり、ぐるぐる考えていました。
また、パパのように前向きな考えができない自分が嫌でした。
長男の障がいをなかなか受容できないまま、診断を受けてから約半年が過ぎました。
すると、長男に変化が表れたのです。
その様子を見て、
「長男は少しずつだけど成長している。頑張っているんだ。自分も子供達のために頑張ろう」
と思い、前向きな気持ちに切り替えることができたのです。
それからは、自分ができることを積極的に行っています。
もちろん、挫けそうな時もありました。
でも、子供達の可能性を信じて諦めなかったので、今日の子供達は、健やかに育っていると思います。
まとめ
子どもの障がいを、すぐに受け入れることは難しいです。
そのため、無理に「大丈夫。大丈夫」と自分に言い聞かせるのは、逆効果です。
心が張り詰めたままでいると、やがてバランスが壊れてしまいます。
障がい受容までは、5つのプロセス「ショック・否認・悲しみと怒り・適応・再起」を経ます。
そのため、人によりますが、多かれ少なかれ時間が必要なのです。
必ずあなたが、お子さんの障がいを自然に受け入れる日がきっときます。
それまで、お子さんの将来に必要な事だけは、検討からでもいいので、前向きに考えてみてください。
お子さんの可能性を信じてください。
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