自閉症の子供達が理髪店で散髪できるまで

我が家の子供達は、現在、理髪店にて散髪をしてもらっています。

今回は、利用しているお店にたどり着くまでと、後日談をお話しさせていただきます。

参考になれば、幸いです。

パパが、散髪をしてくれていたけれど

我が家の子供達は、次男が小学校に入学するまでは、自宅にて主人が切ってくれていました。

大変な自閉症児の幼児期の散髪!我が家ではどう乗り切った?

 

ある日のこと、パパが提案してきました。

「子供達、そろそろ、お店とかで切ってもらうのは、どう?」と。

 

この頃、約2ヵ月に1回のペースで、自宅で散髪をしてきたので、子供達は、はさみを使っての散髪に慣れてきました。

なので、このまま自宅での散髪を継続するよりも、子供達が、次の段階へステップアップするには、いい機会だと判断したのです。

 

我が家では、できることを増やすために、子供達がある程度できるようになったとき、それよりも少し難しいことにチャレンジしてもらってきました。

家での散髪ができるようになったので、お店での散髪にチャレンジです。

どこで散髪をしてもらう?

そこで、まずはお店を探すことになりました。

A店にて

まずは、よく街中で見かけるA店でカットしてもらうことに。

【A店の特徴】

  • 全国にある理髪店
  • 予約制ではなく、来店順で受付
  • 役割分担されていて、流れ作業でカットしてもらう仕組み

 

お店に入ると、すでにお客さんが、5~6人ほど長椅子に座って待っていました。

しばらく待っていると、順番が呼ばれ、カットしてもらうことに。

 

子供達は、順調にカットはされていたのですが、ちょっと落ち着かない様子。

頭を動かしたり、ケープに落ちた髪の毛を気にして下に落とそうとしたり・・・。

店員さんが切りづらそうにしていたので、私は子供達のそばに行き、頭を動かさないように手で押さえたりしました。

 

初めての場所だからかなぁと思っていましたが、このお店には、多くのお客さんに対応できるように、洗面台やカット台が多くありました。

そのため、お客さんだけでなく、店員さんも多いので、お店の中は少し騒がしかったのかもしれません。

なので、注意が散漫になりがちになって、落ち着いていることが難しかったのでしょう。

 

また、順番が来るまで、20分くらいの待ち時間でしたが、待っている間に、次から次へとお客さんが来店していました。

混雑する時間帯だと、30分以上はここで待たないといけないかなと思いました。

でも、お店の中には、特にテレビもなく、雑誌類もなかったです。

なので、長時間待つには、スマホでYouTubeなどを見させたり、ゲームをさせるなど、待ちアイテムが必要だと感じました。

 

たまたまだったかもしれませんが、店内の雰囲気が慌しかったので、子供達にはあまり向いていないお店かもしれないと思い、この1回の利用でやめました。

B店にて

A店での経験を活かして、次のお店を探したとき、現在も利用しているB店を見つけました。

【B店の特徴】

  • ご夫婦で経営している個人のお店
  • 予約制 ※電話でいつ行けばいいのかわかる
  • 散髪は、一人の人が最後までしてくれる

まず、お店にあらかじめ電話をしたとき、「〇時頃なら、大丈夫ですよ」と教えてもらえるので、お店の中で待つことはありませんでした。

 

このお店は、ご夫婦2人体制で営業していました。

初回のときは、長男をご主人が、次男を奥様が散髪をしてくれました。

【散髪の流れ】

  1. 濡れタオルを使って、髪の毛を濡らす
  2. 髪の毛を切る
  3. 耳まわりとうなじに、泡を塗る
  4. カミソリで、きれいに剃っていく
  5. 蒸しタオルでふき取る
  6. 終わり

A店でも、カミソリで剃るかどうかを聞かれましたが、子供達の落ち着かない様子に、難しいかもしれないと思い、断りました。

B店では、どうしようかなと思いましたが、試しにお願いしてみました。

なぜなら、子供達の様子を見ていると、初めての場所にもかかわらず、落ち着いていたからです。

どうしてでしょうか?

 

まず、お店の雰囲気ですが、他のお客さんがいなかったので、A店よりも静かでした。

他のお客さんも、おそらく、あらかじめ電話で聞いてから、来店しているようなので、私達がいるとき、それほど人の出入れがなかったのです。

また、お店にはテレビがあり、子供達は、テレビに集中していたので、はさみの音など、それほど気にならなかったのだと思います。

 

髪の毛のカットが終わり、いよいよ泡をつけて、カミソリで剃ることになりました。

初めて見るものに、子供達はギョッとしていましたが、お店の人が簡単に説明してくれました。

 

でも、カミソリで剃るのは、初めての体験だったので、やはり頭が動いてしまう子供たち。

なので、私は子供達のそばに行って頭を押さえて動かないように気をつけたり、「もう少しだよ。大丈夫だよ。すごいね~。」と声掛けして、子供達を励ましたりしました。

 

ご夫婦は、手際よく丁寧にカットなどの作業をしてくれたので、安心してお任せすることができました。

また、子供達に対して、優しく対応してくれたことが、何より嬉しかったです。

 

約20分ぐらいで、散髪は終了。

長男は、鏡に映る自分の姿に満足しているようで、とても嬉しそうでした。

私だけでなく子供達も、A店よりもB店の方を気に入ってくれたようなので、次もB店を利用することになったのです。

常連になった子供達

B店の利用回数が増えるごとに、子供達もお店での散髪に慣れてきたようです。

最初の頃は、子供達が動かないように、私がサポートしていましたが、今ではサポートなしでも大丈夫になりました。

(※上記の写真は、散髪後の次男です)

 

我が家のパパも、子供達と一緒にB店を利用しています。

パパ・長男・次男の3人をお願いするとき、ご主人がパパ担当で、奥様が長男・次男を担当してくれます。

このお店では、大人は子供よりも、顔剃りや耳掃除、洗髪などあるので、時間がかかります。

なので、パパをしてもらっている間に、子供2人の散髪が可能なので、とてもありがたいですね。

 

B店には、テレビのほかに、雑誌や漫画が置いてあります。

いつも次男が先に散髪なので、長男はイスに座って待っています。

私のスマートフォンを使って、YouTubeを見るときもありますが、お店に置いてある漫画を読むときもあります。

なので、待っている間は退屈しなくていいようです。

 

いつまでB店を利用できるかは、わかりませんが、仮にいつか違うお店になっても、次の点に気をつければ、大丈夫だと思いました。

  • 時間が指定できる。もしくは、待ち時間が少ないところ。
  • 少人数の対応で、人の出入りが少ないところ。
  • 1対1で対応してくれるところ。
  • お店の雰囲気が、子供にとって騒がしくないところ。
  • テレビや雑誌などがあり、順番が来るまで退屈しないところ。

そして、やはりお店の方の人柄かなと思います。

このB店を経営しているご夫婦は、我が家の子供達だけでなく誰にでも、とても優しく丁寧に対応してくれます。

子供達は、そういったところもちゃんと見てわかっているから、B店がいいと思ったのではないかと思います。

「できること」を増やしていくことで・・・

家での散髪を続けた方が、子供にとっては安心できますし、料金もかかりません。

でも、親がずっと子供の散髪を、続けないといけないかもしれません。

できれば、現状維持をしていくよりも、少しだけチャレンジをしてみませんか?

 

最初は、うまくいかないかもしれません。

でも、他のお店を探してみたり、お子さんが不安にならないように、お店の人に相談してみるのは、どうでしょうか?

近年、障害児の特性を理解して、サポートをしてくれる理髪店も少しずつ増えてきています。

「そらプロ そらいろプロジェクト京都」では、その取り組みをしており、もしかしたら、お住いの地域にも、同じ取り組みをするお店があるかもしれません。

下記のリンク先に実施店が載っていますので、参考になれば幸いです。

そらいろプロジェクト京都

 

子供にとって、できることが増えて、親や周囲の人から褒められることは、とても嬉しいし、自信にもなります。

また、できることを増やしていくことは、お子さんが自分で、いろんな選択肢を選ぶことができるようになるのです。

自転車に乗ることができれば、自分の行きたいところまで移動することができます。

買い物ができれば、自分の欲しいものを買うことができます。

いろんな選択肢を選べることができると、お子さんの生活は、より楽しく、より充実したものになります。

 

お子さんができるようになるまで、時間がかかったり、いろんな試みが必要かもしれません。

焦ってしまうかもしれませんが、お子さんの気持ちに寄り添ってサポートしてください。

できなかったことができたとき、お子さんだけでなく、親も達成感を感じることができるでしょう。

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かつての私達と同じように、将来に対する不安を抱えているお母さんや、お子さんに診断が出て戸惑っているお母さん、不安になっているお母さん達の心の負担がきっと軽くなるでしょう。

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