長男の進学先を特別支援学校に決めるまでの道のり

我が家の長男は、2018年現在、特別支援学校に通っています。

長男の小学校進学先で、悩んだのは2014年、長男が保育園年長の頃です。

保育園年長頃の長男

長男が保育園に在籍していたのは、約2年6ヶ月でした。

入園と同時に加配の先生が付き、何とか卒園することができました。

ただ、年長の時期でも、発語はほとんどなく、自分の言いたいことなどは言えてませんでした。

排泄面で、排尿に関しては、定時排尿ならOKですが、自分の意思で行けるようになったのは、年長後半になってからでした。

排便に関しても、部屋の隅でじっと立っているなど予兆が分かるときは、トイレに行くように促せば、行ってくれました。

しかし、失敗も多く、自分でお尻を拭くことも困難でした。

コミュニケーション面は、保育園で他者と積極的に関わる様子は少なかったです。

相手の言っていることは、おおよそ理解しているようですが、言い回しによっては通じていない面もありました。

ただ、団体行動でパニックを起こすことはほとんどなく、保育園の行事はほぼ参加できていました。

親の葛藤

私達は、長男が年中の時期から小学校進学について、考えていました。

そのため、その年の4月にあった特別支援学校・特別支援学級の学校説明会に参加をしました。

その他にも、療育先の先生からアドバイスを頂いたりなど、情報を集めていました。

ただ、情報を集めていくうちに、長男はどちらの学校にすればいいのか、迷ってきました。

確かに、特別支援学級は、子供の力量によっては、普通学級の授業に参加できる可能性があります。

保育園でも、何とかやってこれたので、長男の成長に希望を持って、特別支援学級へ進学と思いました。

しかし、その時期の長男の力量でも、特別支援学級で過ごしていけるのか、とても不安でした。

そんな中、長男が保育園年中時期にあるショックな出来事がありました。

保育園年中組の時期に起こった出来事

長男が年中組の時のことです。

年中組は、帰宅の際、保護者が迎えに来るまで、年長組と一緒に同じ教室で過ごしていました。

長男は私が迎えに行くまで、大抵は一人でもくもくと遊んだり、先生の側にいました。

ある時、私が保育園に迎えに行った時のことです。

年長組の男の子2~3人がヘラヘラ笑って、楽しそうにかたまっていました。

どうしたのかと近寄ってみてみると、長男の頭を何度も抑えつけていたのです。

その時期の長男は、自分の感情を出すことはできませんでした。

そのため、その男の子たちには何も言えずされるがままのようでした・・・。

私が迎えに来たことに気づいた男の子たちは、長男から離れましたが、謝ることなくニヤニヤ笑って見ているだけ。

その時、私はその子たちに、「何やってるの!」と言うことができず、あまりの出来事に言葉を失っていました。

ただ、その場から長男を離さないと思い、教室の外に連れ出しました。

すると、先ほどの男の子の一人が私たちのところにやってきて、こう言って走り去っていきました。

「ばーか、ばーか!」

そのあと、園長先生にこの出来事をお話しし、何とか対処していただきたいとお願いしました。

もちろん、園の方で対処はしていただけたのですが、「私達が知らないだけで、こんなことが今まで何度もあったのかもしれない。」そう思うと、いたたまれない気持ちになったのです。

もちろん、長男が私達に訴えた時は一度もありません。訴えることもできないので・・・。

特別支援学級への進学を考えたとき、そういった出来事が思い出されました。

自閉症の子供達は、集団に馴染めないため、特にいじめられやすい特徴があります。

もし、特別支援学級に進学したとき、先生の目が届きにくい休み時間などに、長男が嫌な目に逢わないか、とても心配だったのです。

近くの特別支援学校に見学に行ってみたが・・・

長男の特別支援学級への入学が不安に思ったため、近くの特別支援学校の入学を検討しました。

そこで、私とパパで近くの特別支援学校へ見学に行くことにしました。

朝の様子、授業風景を見学したのですが、児童の人数がとても多いという印象でした。

その日は、小学部低学年での合同で、音楽の授業が行われていました。

低学年での合同とはいえ、児童人数が約30人ぐらいでした。

もちろん、先生1人に対し、児童1~2人にはなっていたと思います。

しかし、重度の児童が多いためか、先生方は児童の対応に追われ気味のように感じたのです。

そのため、もし長男がこの学校に入学しても、十分な対応をしてもらえるかという不安が残りました。

見学が終わり家に帰った後、パパと話をしましたが、私と同じように感じていたようです。

しかし、その当時住んでいる地区では、その特別支援学校しかありません。

どうしたら、いいのだろう・・・と、また悩みました。

長男のために思い切って・・・

パパと話し合った結果、地区にこだわらず、長男に合った学校を探してみることにしました。

まずは、住んでいる地区以外で、特別支援学校がないか探しました。

すると、3校該当しました。

そして、3校を順番に見学した結果、長男が現在通っている特別支援学校に辿り着いたのです。

ちなみに、この学校に決めたポイントは以下の3つでした。

  1. 児童1人に対して先生が1~2人となっており、児童の人数もそれほど多くなかった。
  2. 寮が完備されており、青年期には一人暮らしの練習をする部屋があるなど、将来自立に向けての施設が充実している。
  3. 就職先として、学校近くの企業と連携をしていること。
  4. 文部科学省が実施する、自閉症に対応した教育課程に関する調査研究事業の指定校だった。

当時、住んでいる地区からこの支援学校へ通学するには、車で約1時間なので、遠すぎました。

もちろん、地区外なので、スクールバスの利用はできませんし、いきなり寮という選択肢は考えていませんでした。

そこで思い切って、希望する特別支援学校に通える地区へと、引っ越しをすることにしたのです。

「そこまで、するの?」と思った方は、いらっしゃいますか?

確かに、小学校の進学の段階で引っ越しとは、私も思っていませんでした。

長男がこの先、どんな進学・就職をするのか、予想もつきません。

その就職も、どういった形になるかわからないし、はたまた就職できないかもしれません。

私達は、今、子供達にできることを精一杯しようと、常々考えていました。

そのため、長男に合った学校が見つかったので、それならば・・・と思い、決心したのです。

特別支援学校での面談

8月の下旬には、希望する特別支援学校での面談がありました。

面談の概要は、教育委員会から通知が来ますが、簡単に当日の流れを紹介します。

 

当日は、子供と保護者は別々に行動をします。

子供は、「集団活動・個別活動」に参加します。

ここで、先生方が子供の発達度合などをチェックしていくのだと思います。

保護者は待合室に行き、面談の順番が来るまでに、子供の生育歴等を記入する調査票を書きます。

順番がきたら、面談室に通されますが、希望した支援学校では校長先生・小学部主任・養護教諭など4~5名はいらっしゃったと思います。

そこで、記入した調査票をもとに、子供の生育歴・親の考え(小学校に入学した後のこと)や子供がアレルギーを持っていた場合、その対応措置・薬の服用等を聞かれました。

我が家の長男は、もともと食物アレルギーと喘息を患っていたので、アレルギーが出た時の対応や薬のこと、喘息に関しても細かく聞かれました。

もし、お子さんが何かのアレルギー等をお持ちでしたら、答えれるようにメモを書いておいた方がいいかもしれません。

時間おおむね15~20分ぐらいだったと思いますが、自分1人に対して相手が4~5人でしたので、かなり緊張しました。

 

この面談は、合否を問うものではないと思います。

教育委員会が「特別支援学校が相当」と判定し、保護者の希望と一致している限り、この面談で特別支援学校への入学ができないわけでは、ありません。

 

ただ、2018年1月時点において、私達が住む地域では、保護者が「特別支援学校」と希望していても、教育委員会が「特別支援学級が相当」と判定し、希望のとおり入学できないケースが増えています。

原則として、「特別支援学校が相当」と判定されても、親が希望すれば「特別支援学級」に入学することができます。

しかし、逆に「特別支援学級が相当」と判定されると、「特別支援学校」に入学することはできません。

特別支援学校の方が手厚い支援がある反面、教員の数も多く、予算不足のためだと思われます。

「特別支援学校」への入学希望者があまりにも多いと、「特別支援学校」→「特別支援学級」、「特別支援学級」→「普通学級」のように玉突きで入学の人員を調整しているようです。

これはお住まいの地域の状況によって、さまざまだと思われますので、例えばお子さんの進学を経験された親御さんや、地域の相談支援専門員さんに聞いてみるのがいいと思います。

入学後の長男

特別支援学校に入学した長男は、嫌がることなく学校に通っています。

長男が入学した時、クラスには長男を含め、4人の児童に対して3人の先生が担当して頂きました。

また、私達もできるだけ長男に関して、連絡帳や年に3回ある保護者懇談で、先生と情報を共有したり、意見交換をしました。

そのためか、長男は少しずつ成長してきていると思います。

 

入学当初は、排泄面に不安がありましたが、2018年1月時点で、排尿・排便に関しては、自分のタイミングでいけるようになりました。

ただ、夢中になっていると排泄に行くのを忘れるため、失敗することもあります。

排便も、私達のアクションがない限り、ずっとトイレから出て来れないので、それらが課題となっています。

 

言語面・コミュニケーションに関しては、簡単な言語「せんせい、できました」、「てつだってください」等は言えるようになりました。

「すご~い」、「おもしろかった」等の自分の気持ちを表現する時もあります。

ただ、言葉のやり取りをするには、まだまだ不十分です。

 

2018年4月から、長男は小学部低学年から高学年に変わります。

校舎が変わり、担任の先生も変わる可能性があるので、変化についていけるか不安です。

また、これから大きくなって思春期も迎えるでしょう。

長男が最初の子どもなので、私達、親にとってわからないことはたくさんあります。

課題もどんどん増えるかもしれません。

でも、今まで積み重ねてきた子供達との信頼関係があれば、きっと乗り越えられると思っています。

 

追伸

進学先を特別支援学校に決めるまでの道のりは、大まかにこのような流れでした。

もし、もっと細かいことを聞きたいという方は、お問合せいただければ、個別にお答えいたします。

 

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