子供が成長すると、さまざまなことがあります。
今回は、我が家であったことをお話しさせて頂きます。
参考になれば、幸いです。
目次
それは、突然の電話でした
ある日の午後。
いつも子供達がお世話になっている、放課後デイサービスさんからお電話がありました。
「お母さん、たびたびすみません。ちょっとお時間よろしいですか・・・?」
私はイヤな予感がしました。
すでに事件は起こっていた
話しは、この日の午前にさかのぼるのですが、放課後デイのスタッフさんから、確認のお電話がありました。
「昨日の次男くんの荷物の中に、他のお子さん(Aくん)の制服の上着が紛れ込んでいませんでしたか?」とのこと。
放課後デイから帰ってきたら、次男には自分の荷物を片づけてもらっています。
体操服や制服の下に着たブラウス、ハンカチ、靴下などは洗濯カゴの中へ、制服の上下はハンガーなどにかけ、給食で使った箸は台所の流し台へ。
たまに、学校に忘れたり、間違えて持って帰ってくることもありますが、私にそのことをちゃんと伝えてくれていました。
なので、昨日は特に何もなかったし、制服の上着は一つしかかかっていなかったので、「紛れてなかったと思います。」と、スタッフさんに伝えました。
実は、昨日Aくんと一緒に着替えていたのは、次男だけでした。
2人とも早く着替えて遊びたいために、脱いだ制服を部屋一面に広げてしまっていたようで、「もしかしたら・・・?」と思い、私に電話をかけたようですが、解決には至らず、「Aくんの上着は一体どこにいったのだろう?」と、謎が残るばかり。
そして、学校が終わってAくんと次男が放課後デイにやってきたとき、Aくんは上着を着ていたので、「あれ?上着、学校にあったの?」と、スタッフさんがビックリしてAくんに聞きましたが、Aくんがうまく答えずにいると、次男が代わりにこう答えたのです。
「学校にあったよ。俺が置いたんだ。」
その一言が発端でした。
次男が私に隠していたこと
放課後デイのスタッフさんが、次男に詳しく話をきいたところ、真相は次の通りでした。
昨日、スタッフさんの読み通り、次男はAくんの制服の上着を持ち帰ってしまったようで、家で荷物を片づけたときにわかったようです。
ただ、次男は私に怒られるのではないかと思い、体操袋の中にAくんの制服を入れて、何食わぬ顔でその日を過ごしていました。
実際、その日の次男は挙動不審でもなく、いつも通りの次男だったので、私は次男がまさかそんなことをしていたなんて、気づきませんでした。
そして、次の日、次男はいつも他の子より早めに登校するので、誰もいないのを見計らって、その子の机の上に制服の上着を置いたのでしょう。
今回、何気ない次男の一言がなければ、「Aくんが、制服の上着を学校に忘れた」ということで、済んでしまったのかもと思うと、私はゾッとしました。
何より、次男の様子に気付けなかった自分と、Aくんのものを持ち帰ったことに平然としていた次男に、腹が立ちましたね。
それに、Aくんが昨日、お母さんから注意をされなかったのかが、心配になりました。
AくんとAくんのお母さんに謝りたかったのですが、スタッフさんの配慮によりできませんでしたが、本当に申し訳なかったです。
このショッキングな電話を頂いた後、私はデイに子供達を迎えに行きました。
迎えに行ったときの次男は、いつも通りでしたが、私が「帰ったら、話がある」と伝えると、次男の表情が曇りました。
次男は、何の話か分かっていたのだと思います。
我が家での対応は?
家に帰った後、早々に私は次男と話をしました。
話しを聞く環境と伝え方に気をつける
まず、次男とじっくり話をするために、テレビのない部屋に行き、私の向かいに座ってもらいました。
次男は、テレビがついていたり、外部の音が聞こえると、そちらに注意が向いてしまうので、大事な話をするときは、静かで話に集中するような環境にしています。
そして、次男に説明するときは、伝え方に注意をしています。
私が一方的に今回のことを聞いても、「ごめんなさい」「もうしません」しか言わないかもしれないからです。
それでは、反省したことにはならないです。
あとは、長々と話をするよりは、要点をまとめて短く伝えた方が、次男にとってはわかりやすいと思いました。
ただ、一連のことを聞いたばかりなので、悲しいやら腹立たしいやら、私の中でモヤモヤしていたので、冷静に話しができるか、やや心配ではありました。
なるべく平静を保つことができるように、ゆっくり話をしようと決め、いざ始めたのです。
次男の様子は?
私の向かい合わせに座った次男は、下を向いていました。
次男からすれば、めちゃくちゃ私に怒られると思ったのでしょう。
私は、次のことを次男に聞いたり、話したりしました。
- 昨日、Aくんの制服の上着を持って帰ったのか?
- 持って帰ったのがわかったとき、どうしてお母さんに言わなかったのか?
- 学校の先生は、知っているのか?
- Aくんには、謝ったのか?
- 次に同じことがあったら、どうするのか?
- ウソをつくことが、次男にとってどうなるのか?
次男は、次のように答えてくれました。
- 持って帰った。
- 怒られるから、言わなかった。
- 知らない。
- まだ謝っていない。
- お母さんに言う。
- 嫌なこと。(※あまりわかっていない様子)
6の質問は、抽象的な内容なのと、経験がないことだと学べないことでもあるので、次男にとっては難しかったのかもしれません。
そこで、次男がウソをつくことで、どうなるかを具体的に話しました。
- 周りの人に迷惑をかける。(今回は、AくんとAくんのお母さん)
- ウソをつくことで、正直に話すよりも、さらに怒られる。
- お母さんは次男が正直に話してくれなかったことで、悲しい気持ちになった。
- ウソをつくと、周りのみんなに信じてもらえない。(同じことがあったとき、次男がしてなくても、次男がしたことになる)
話しが終わったと、「これから、誰かのものを持って帰ったとき、どうする?」と聞くと、「お母さんに、ちゃんと言う」と涙ぐみながら言ってくれました。
どこまで、次男に届いたのかはわかりませんが、その日、次男は自分自身に腹を立てたり、自分の中で落ち着けるまで泣いたりしていました。
私は、これ以上この件について、次男に話すことはせず、いつも通り接しました。
次男の周り人にも共有して気をつける
今回のことは、主人はもちろんですが、学校の先生にも知っていただきたいので、このことを連絡帳に書きました。
すると、先生は連絡帳を読んだ後、次男と話をしたそうです。
話の内容は、前日私が次男にしたこととほぼ同じのようで、次男はウソはつかないことを約束し、自分からAくんにきちんと謝ったとのことでした。
放課後デイサービスの職員さんからの提案で、しばらくは、家と放課後デイサービスで、次男の荷物をチェックすることになり、次男だけでなく周りも情報を共有することとなったので、親としては安心しましたね。
ただ、1つだけ私には心配事がありました。
それは、「次男はもうウソをつかないのか?」です。
成長の中で繰り返し伝えること
約束したとはいえ、もう次男はウソをつかないとは言いきれないと思います。
もしかしたら、またウソをつくことがあるかもしれません。
今回のように、次男なりに「どうしたらいいのか?」を考えた結果、ウソをつくことはあるでしょう。
ただ、状況によって許されることもあれば、許されないこともあります。
自閉症の子供は、「許されるウソ」と「許されないウソ」の使い分けをするのことは、難しいです。
だから、周りの人が情報を共有してサポートすることがとても大切だと思います。
この先、子供達はいろんな環境で、いろんな人と出会う中で、いろんなことがあるでしょう。
その中で、子供がウソをついたことに対して頭ごなしに怒ると、子供は次に同じようなことが起きても、真相を話してくれないし、どうしたらいいのかわからず、一人で抱え込んでしまうかもしれません。
だから、まずは子供の話をじっくり聞いてから、「どうしたいいのか?」「どうすればよかったのか?」を、相手の気持ちなどを代弁しながら、ついてはいけないウソについて根気強く教えることが大切だと思いました。
理解できるまで、継続的に伝えることが大事ですね。
参考になれば、幸いです。
ありがとうございました。
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