子供が自立する為に今からできること

長男が自閉症と診断されたとき、私はふと思いました。

「この子は、将来、自立できるのだろうか?」と。

 そもそも、「自立する」とは?

あらためて考えてみると、「自立する」ってどんなことだと思いますか?

  • 自分でお金を稼ぐこと
  • 自分で買い物に行くこと
  • 親の支援がなくても大丈夫なこと

確かに自立できることですね。

ちなみに、我が家のご意見番・パパに聞いてみたところ、

「漫画『ワンピース』のルフィだ。海賊王に俺はなるっ!って感じじゃない?」

と、よく分からないことを言われました・・・。

 

つまり、「自立する」ってこんなことかな?と思います。

自分の実現したいことのために、自分が自主的に行動すること(海賊王になるために鍛えて、大海原へ出航すること)

自分が出来ないこと・困っていることは、助けてくれる相手を探し、助けを求めることができること(自分を助けてくれる仲間を見つけて、協力してもらうこと)

いつも側にいる人(親など)だけでに頼るだけではなく、色々な手段を身につけていること(仲間だけではなく、行く先々で何かあっても、考えて乗り越えていくこと)

 

とはいえ、すぐには難しいです。

そのため、「自立への第一歩」として、今からでも獲得しておきたいスキルがあります。

それは、自分で身の回りことができる「家事スキル」です。

 

お子様によっては、すでに身の回りのことは、自分で出来ている子もいると思います。

ただ、それは「自分の意思」で行動できていますか?

例えば、お母さんが声掛けをした後に、行動していませんか?

本当の自立というのは、「自分が実現したいことのために、自分で気づき、何か不足があれば自分で用意したり、助けを求めたりして、実現のために自分で行動する」ことだと思います。

家事スキルを身につけるためには?

では、家事スキルを身につけるためには、どうしたらいいでしょうか?

それは、子供に「お手伝い」をお願いしてみることです。

これが、家事スキルを身につける確実な方法です。

スモールステップで、お手伝いをレベルアップする

「お手伝い」は、お子さんが幼児期からでもできます。

例えば、朝起きたら新聞を持ってくる、郵便物を取ってくる など、比較的簡単で、わかりやすいものから始めてください。

そして、必ず褒めることを、忘れないでください。

 

簡単なお手伝いができるようになったら、ちょっとレベルを上げてみてください。

例えば、配膳のお手伝いです。

夕飯のお手伝いで、箸・茶碗・食器・コップを並べることです。

箸・茶碗等が誰のものか?

食器がどれだけいるか?

お母さんに聞かないと、わからないこともあります。

そのため、相手に助けを求めるスキルが必要です。

 

また、これができるようになったら、コップにお茶を注ぐ、ご飯やおかずを盛る等に挑戦させてみましょう。

こぼさないようにお茶を注いだり、ご飯やおかずをうまく盛るには、さじ加減がわからないと難しいです。

私達がお茶を注ぐと、だいたいコップ7~8分目ぐらいですよね?

でも、さじ加減がわからないと、コップに溢れそうなぐらいお茶を注いでしまいます。

 

実際に、我が家の長男は、さじ加減が把握しにくいようです。

ご飯だと山盛りになったり、サラダにドレッシングをかけるとかけ過ぎになったり・・・。

そのため、最初の頃は、お茶を入れるときは、ここまで注いでと長男がわかるようにサポートしました。

その後は、練習あるのみです。

失敗しても、それも練習になる!

もちろん、うまくいかない日もあります。

グラスに引っ掛けて、お茶をテーブルに、こぼした時もありました。

でも、お茶をこぼしてしまった時、台布きんでふき取る練習ができました。

 

生活中で、上手くいく日もあれば、上手くできない日もあります。

子供に「できた!」と実感できる成功体験は、大事です。

でも、「失敗しても大丈夫!」という失敗から学ぶ体験も、大事です。

この体験がないと、失敗することを子供は恐れてしまい、常に完璧を求めてしまいます。

そのため、失敗してしまった時、パニックを起こしてしまうかもしれません。

だからこそ、失敗しても「次は、大丈夫!」「こうすれば、大丈夫!」という前向きな姿勢を、育てて欲しいと思います。

 

この他に、洗濯物・掃除でもスモールステップによって、徐々にできると思います。

確かに、時間はかかるかもしれません。

でも、一度お子さんが身につけたことは、きっとずっと身についていると思います。

子供によって、やり方を工夫する

お子さんによっては、これがきっかけで、意欲的にお手伝いをしたがる子もいると思います。

その場合は、たとえうまくできなくても、どんどんお子さんにさせてあげてください。

 

また、逆にお手伝いに消極的なお子さんでしたら、「ご褒美」を使うことも有効です。

もちろん、「ご褒美」だけではなく「褒める」ことも、忘れないでください。

それによって、

「お手伝いをする」→「褒められる」→「ご褒美をもらえる」

となり、「お手伝いをする=お母さん・お父さんに褒められる+いいことがある」ということを、子供は学ぶことができます。

ご褒美は、お子さんの好きなお菓子だったり、好きな遊びでもいいと思います。

ただし、お手伝いの回数が多いとご褒美が大変なので、お菓子だったら少量、ipadやゲームだったら短時間にしてください。

もちろん、積極的にお手伝いをしてくれるお子さんにも、ご褒美はさらにやる気がでると思います。

 

ご褒美を与えることに、抵抗がある方もいるかもしれません。

もちろん、ご両親から褒められることが、一番大事です。

でも、頑張った先に良い事があると思うだけで、モチベーションが高くなりませんか?

そのため、お子さんのやる気をさらに引き出す手段の1つと考えてもいいかなと思います。

ご褒美を変えることで、次のステップへ

お子さんが小学校入学して、大きくなってくると、今までのお菓子やゲームでは、物足りなくなってくるかもしれません。

そんなときは、次のステップに移るチャンスです。

 

ご褒美を、「おこづかい」へと変えてみましょう。

最初は、金額は少額から始め、できれば、お小遣い帳もつけてください。

そして、お子さんと「〇〇〇すれば、10円」「貯めたお金以上の物は、買わない」など、ルールをちゃんと決めてください。

すると、お小遣い帳をつけることで、自分でお金を管理する練習ができます。

算数ができなくても、電卓を使ってもいいと思います。

お子さんがやり易い方を、選択してあげてください。

 

そして、お子さんに、好きなものを買わせたりすると、買い物の練習もできます。

これは、最初にイメージした「自分でお金を稼ぐこと」「自分で買い物に行くこと」ことに、繋がりますね。

小さな経験を重ねていくうちに、振り返ってみれば、いつの間にかたくさんのことが、できるかもしれません。

だから、「うちの子はできないかもしれない」と諦めないで、小さなことからやれることを、確実に積み重ねてあげてください。

親が気をつけたいこと

失敗しても怒らないこと

お母さんは、日々多忙です。

そのため、お子さんがお手伝いをしてくれた時、失敗してしまうと、「あぁ~」とか「もう~」など言って、イライラしてしまいませんか?

私もついこれを、やってしまうことがあります・・・。

お子さんに手伝ってもらうより、自分でした方が早い時もありますよね・・・。

そのため、子供のちょっとした失敗に、イラっと反応してしまうのです。

でも、子供にとってそれを両親にされると、失敗を恐れて出来なくなってしまいます。

だから、失敗しても決して怒らないように、気をつけてください。

もし、お子さんにお手伝いを任せられない時は、やんわりと断ってもいいと思います。

ご褒美やお小遣いを減らさないこと

もしお子さんが、嫌な事や悪い事をしても、ペナルティとしてご褒美やお小遣いを減らさないでください。

お子さんが頑張ってゲットしたご褒美やお小遣い。

それを減らされると、お子さんのお手伝いのモチベーションも下がります。

 

我が家では、子供が悪い事をしたら、お手伝いをさせません。

それは、子供達の中で、

「嫌な事・悪い事をする」→「お手伝いができない」→「いいことも起こらない」→「ご褒美等を得るチャンスを逃す」

ということが、分かってきているからです。

頑張って獲得したことを減らすよりは、獲得できる機会を与えないほうが、効果的ではないかと思います。

必ずお子さんとの約束は守ること

お子さんとご褒美やお小遣いのルールを決めた場合、必ずどんなに忙しくても、約束は守ってください。

我が家では、お手伝いをしてご褒美マークを5つ貯めると、パソコンで「マインクラフト」ゲームができると約束しています。

正直、子供に今パソコンを使われると・・・と、思うことはありますが、余程の理由がない限り、子供達との約束は守るようにしています。

 

みなさんも、たとえお子さんが幼くても、約束を守ることを心がけてください。

お父さん、お母さんがお子さんとの約束を優先する姿を見せることで、子供達は約束を守ることの大切さや、約束したから我慢するということを学んでいくのだと思います。

お子さんに、約束を守らせるためにも、まずは、ご両親がお子さんとの約束を守ってください。

まとめ

いかがですか?

お子さんが自立する一歩として、まずは身の回りのことを一人でできるように練習してみましょう。

もちろん、最初からあれこれ出来るわけでは、ありません。

スモールステップにわけて、今から出来ることから、徐々にできることを増やしていきます。

出来るたびに褒めてあげたり、ご褒美をあげたりして、一緒に家事を楽しみましょう。

身の回りのことが自分でできるようになれば、次第に出来ることが増えていきます。

小さな「今できること」を積み重ねることで、子供達は自立に向かっていくのです。

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2児の自閉症児を育ててわかった、子育てに必要な7つのステップ
この本の中には、これまで私達が体験してきたいろいろなエピソードを基に、私達が感じた不安や、不安を感じつつも、やってきて良かったと思ったこと、そして、自閉症の子供を健やかに育てるために、幼児期から気を付ける7つのことが書かれています。
かつての私達と同じように、将来に対する不安を抱えているお母さんや、お子さんに診断が出て戸惑っているお母さん、不安になっているお母さん達の心の負担がきっと軽くなるでしょう。

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