子供がゲームに夢中になってしまって、ゲームばかり要求するようになってしまった。
一旦ゲームを始めると、いつまでたってもやめない。
でも、無理にでも止めさせようとすると、子供が怒りだしてしまう。
あなたにもこのような経験は、ありませんか?
ゲームをする時のルール作り
自閉症のお子さんは、テレビゲームなどのように、自分が興味があるものに対しては、ものすごくはまりやすい傾向にあります。
特に、テレビゲームの類いは、そもそもお子さんの興味を引くように作られていますから、一層その傾向が強くなるでしょう。
ですから、あらかじめ親との間にルールを作って、きちんと守らせておかないと、ゲームをすることが当たり前になってしまいます。
さらに、ゲームが習慣化してしまうと、学校や勉強など、嫌なことがあった時の回避機能と相まって、自分でもコントロールすることが難しくなるのです。
例えば、皆さんはお酒を飲まれますか?
飲酒の基本は「楽しいお酒を飲む」が原則です。
これが、「とりあえず、毎日飲む」ことが習慣化していたり、「嫌な事があった時は、お酒を飲む」習慣ができてしまうと、厄介な問題に発展していきます。
そう、アルコール依存症です。
こうなると、自分でコントロールできる範疇を超えてしまっているので、何らかの対策やサポートが必要になってきます。
お子さんのゲームと一緒にすることは、暴論かもしれませんが、依存に陥る基本的なプロセスは非常に似ています。
ですからまずは、お子さんと一緒に「ゲームができるとき」のルールを作ってみましょう。
ルールを作るのに大切なこととは?
では、ルールを作るにあたっては、何から考えていけば良いのでしょうか?
それは、「ゲームを始めるときのルール」と「ゲームをやめる時のルール」に分かれます。
ゲームを始める時のルール
支援学校で運動会などの学校行事の際に、他のご家庭の様子を見る事があります。
その際に、一番やってはいけないなと思うケースがあります。
ご飯を食べ終わった後に、お子さんが「ゲーム!ゲーム!」と騒ぎ出します。
お母さんは、お子さんを静かにさせようとするためか、そのままゲームを与えている様子が見受けられます。
一方、我が家の子供達の場合は、どうかと言いますと、少なくとも「ゲームしたい!」とは言い出しません。
なぜなら、どんなに騒いでも、ご飯の後にはゲームがない事が、わかっているからです。
私たちの家庭では、ゲームができるのは、お手伝いや宿題をした後、その他には、病院に行って頑張った時などに限定しています。
ABC分析で言いますと、
A:ゲームがしたい(先行刺激)
B:ゲームがしたいと騒ぐ(行動)
C:ゲームができる(結果)
ではなく、
A:ゲームがしたい(先行刺激)
B:お手伝いができる(行動)
C:ゲームができる(結果)
のように変えてしまったからです。
とはいえ、子供が騒ぐから困っているんです。そう行ったご相談も受けます。
その際は、例えば、
「みんながご飯食べ終わるまで、静かに待つ事ができたら、ゲームをしてもいいよ。」
のように、「静かにさせるためのゲーム」ではなくて、「静かにできたらゲーム」のように逆転して考えてもらっています。
そして、徐々に「〇〇をしたら、ゲームをしてもいいよ」というように、チャレンジすること幅を持たせていきます。
ゲームを終わらせる時のルール
では、ゲームをやめる時のルールはどうでしょうか?
なかなかゲームをやめる事ができない理由には、大まかに2通りあります。
1つ目は、楽しくてやめる気がない。楽しいからやる。
2つ目は、やめたくても、やめる事ができない事情がある。
この2つです。
2つ目のケースは、例えばセーブポイントが無い。セーブしてからじゃ無いと今までのデータがなくなっちゃう。
などの場合ですね。
一方、1つ目のケースは、お母さんとの約束よりもゲームを優先してしまっていますから、対処が必要になります。
また、ゲームを終わらせる時のルール決めにも2通りあります。
それが、「time out」と「convenient time」です。
タイムアウトは、一定の時間が来たら終了ですから、「時間になったんだから、終わりなさい」というものです。
一方、コンビニエントタイムは「キリのいいところまでやって、終わらせなさい。」というものです。
我が家の場合、通常この2つを組み合わせて使っています。
「何分間ゲームできます。」から「時間になりました。キリのいいところで、やめてください。」
という感じです。
ルールは具体的に
お子さんと一緒にルールを作るときに、気をつけて欲しいことがあります。
単に、「1日ゲーム1時間まで」とすると、当然お子さんにすれば、ゲームが先、ゲームが終わったら宿題するということになりますよね。
ですから、ルールをより具体的にしてみましょう。
例えば、「学校からの荷物を片付けて、宿題が終わったら、1時間ゲームができる」です。
こうすることによって、お子さんにとって気が進まないことでも、モチベーションが高くできるようになります。
また、ルールの中に「お手伝い」を盛り込んでもいいでしょう。
例えば、「お手伝い1回1ポイントとして、10ポイント貯めたら、1時間ゲームができる」です。
この場合は、必要なポイントの数が多すぎないように、お子さんの様子をきちんと把握して、ポイントの数や内容を決めてあげましょう。
お子さんの年齢にもよりますが、基本的には親がお子さんの気持ちに寄り添いつつも、主導権をもってルールを決めるようにしてください。
お互いに約束を守る
ルールをきめたら、ゲームを始める時に、タイマーをかけるなど、お子さんがわかりやすいように工夫してあげましょう。
お子さんによっては、時間の概念が苦手な子もいますから、砂時計のように、残りの時間が可視化できるタイマーなどを活用してみましょう。
そのほかには、Nintendo Switchだと、本体と連動する「Nintendo みまもり Switch」というアプリがあります。
アプリを使って、ゲーム時間を設定することで、時間になるとテレビ画面から、アラーム音が鳴り、時間になったことを知らせてくれます。
詳しい内容は、こちらへ。
ルールを決めたら、お子さんだけでなく、お母さんもルールを守るようにしましょう。
どうしても難しい場合は、「今は、〇〇があって、できません。」のように、きちんとお子さんに説明し、「他の日ならできる」などの代案を提示してみましょう。
その時、お子さんが理解しやすい手段を使って、お子さんに提案してください。
お子さんによっては、ゲームができないことに対して、癇癪を起すかもしれません。
でも、「ルールがあっても、状況によっては、周囲の人と折り合いをつける」ことを子供に学ばせるためと思い、お子さんがどんなに怒っても、感情的にならないように気をつけながら、お子さんと向かい合ってくださいね。
お子さんが我慢できたときは、「ありがとう。助かったよ」と褒めてあげてくだい。
まとめ
自閉症のお子さんは、ゲームにはまりやすい傾向があります。
習慣化しないように、あらかじめ、ルールを決めておきましょう。
ルールは、親が主導して、お子さんと一緒に決めることが大事です。
内容は具体的にし、お子さんが無理なく守れそうなルールにしましょう。
ルールを決めたら、基本的には、お互いに守るように心がけてください。
時間になっても止めてくれなくて、イライラするかもしれないけど、なるべく強制終了しないで、お子さんの様子を見たり、
お子さんから交渉してきたときは、きちんと話を聞いてあげてください。
また、ゲームだけに固執するのではなく、他の過ごし方(絵を描く・本を読む・おもちゃで遊ぶ・自転車に乗る)など、
お子さんの興味の幅を広げてあげることにも取り組んであげることも大事になります。
いかがでしょうか?
参考になれば、幸いです。
ありがとうございました。
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