お子さんがパニックを起こす原因には、様々な理由が考えられます。
そのため、まずはその原因を理解することが重要になります。
今回は、出来るだけなくした方がいいこだわりについて、間欠強化の視点から考えてみましょう。
目次
間欠強化とは?
あなたは、「間欠強化」をご存知ですか?
例えば、こんな経験・・・
- ついついレアなキャラが欲しくて、ガチャ課金をたくさんしてしまったことがある。
- パチンコやスロットにハマったことがある。
- 憧れの人に振り向いて欲しいために、尽くしたことがある。
大なり小なり、皆さんにもこのような経験が、あるのではないかと思います。
実は、テレビやスマートフォンのゲーム、ギャンブルなども、この「間欠強化」を巧みに利用して作られています。
人は、毎回確実に貰えるご褒美よりも、たまに貰えるご褒美ほど、もらえたときの快感が大きくなります。
ですから、その快感を味わうために、より熱中してしまうことが分かっているからです。
ガチャ課金などは、とても分かりやすい例ですよね。
たま~に激レアなキャラが当たる。
なかなか当たらないけれど、いつか当たるかもしれない。
『今なら期間限定、激レアキャラ出現確率が200%UP!』
こんなイベントになると、本当に出現確率が200%UPしているかどうかなんて、
自分では確かめようもないのに、ついつい大金をつぎこんでしまったり・・・
では、子育てに関してはどうでしょうか?
自閉症を持つ子供の子育てにおいて、気をつけることは?
私達が、子育てを行う際に注意したことの中に、このようなことがあります。
完全に消去することを決めたことは、一貫して希望を叶えない。
ということです。
中途半端に希望を叶えてしまうと、毎回希望が叶うよりも、以前より、こだわりが酷くなってしまうことになり、厄介なのです。
もちろん、希望を叶えないことで、一時的に癇癪がひどくなったりなどはあります。
ですが、一貫して希望が叶わないことがわかると、次第に落ち着いてきます。
実際にあった我が家の話
3歳頃の長男は外出先ではエスカレーターを見ると、必ず乗るというこだわりがありました。
エスカレーターを見ると、私達の呼びかけも聞かず、勝手に一人で乗ってしまうのです。
幼い長男が一人で乗るのは危険なので、このこだわりをなくすことに・・・。
それまでは、1回我慢できたら、次は乗ってもOKにしたりしていましたが、
一貫してエスカレーターに乗ることを禁止しました。
それからは、上の階に行く時は、階段を使ったり、
長男がエスカレーターに向かって走っても、「ストップ!」をかけて止めていました。
当然、長男は自分の希望が叶わないので、大泣きです。
まるでこの世の終わりのように、泣き叫ぶこともありました。
このこだわりがなくなるまでは、周囲の目もあり、大変だったのを覚えています。
現在の長男は、エスカレーターを見ても、勝手に乗ろうとはしません。
上の階に用事があって、ちゃんと利用するときにだけ乗ります。
たとえ乗れなくても、怒って癇癪を起こすことはありません。
エスカレーターへのこだわりが、なくなったのでしょうね。
間欠強化の良い活用法とは?
実は、この間欠強化、良いことにも活用できます。
それは、「お手伝いのご褒美」です。
お子さんの年齢が高くなってくると、お手伝いに関して例えばこのように思うかもしれません。
- 何かお手伝いをすると、ご褒美はもらえるのが当然。
- 〇〇くれるなら、お手伝いやってもいいけど。
こう考えるようになるのは、ごく自然のことです。
でもこれでは、子どもにお手伝いをお願いするのに、ますますご褒美が必要になってきます。
それはもはや、「お手伝い」では、なくなってしまいますよね?
では、どうしたらいいのでしょう?
我が家のルール
我が家では、基本、ご褒美マーク(通称:ニコニコマーク)が、5つ貯まったらゲームをしてもいいルールになっています。
ニコニコマークが貰えるのは、良い事をしたとき、主にお手伝いをしたときです。
ニコニコマークを5つ貯めたらご褒美にしたのには、理由があります。
お手伝いをしたら、チョコレートなどのご褒美が貰えるのは、未就学児までの話です。
そうすることによって、直感的に「〇〇ができたらご褒美だ。」ということが分かりやすいからです。
子供達が少しずつ成長するにつれて、マークを〇個貯めたらご褒美に切り替えていきます。
それは、「マークを貯めたらご褒美がもらえる。」という概念が理解できるようになるからです。
ところがある日、小学生になった次男と、こんなやりとりがありました。
次男:「おかあさん。ゴミ、おれ、捨てたよ。」
私:「ありがとう。えらいねぇ。」
次男:「・・・ねぇ。ニコニコマークは?」
私:「え!?ご褒美?どうして?」
次男:「だって、おれ、お手伝いしたよ?」
ゲームがしたいから、早くニコニコマークを貯めたかったのでしょうね。
その他にも、お手伝いをしたら、「ニコニコマーク2つ?」と、もっとたくさん欲しいと要求するようになったのです。
ご褒美は、お手伝いをする度に、毎回1個ずつもらえていると、自然と要求する水準が高くなっていきます。
このように、ちょっとしたことでもご褒美を欲したり、2個欲しいと言ったりなどです。
でも、それではお手伝いにはなりませんから、ルールを一部変更することにしたのです。
ルール変更による効果は?
私達は、ご褒美をあげる基準を変えることにしました。
例えば・・・
A:ゴミを捨てるなど簡単なこと → 褒めるけど、ニコニコマークなし
B:お皿を片付けるなどのお手伝い → 褒めて、ニコニコマーク1個
C:洗濯物を自分から片付けてくれたなど、良い行動 →すごく褒めて、ニコニコマーク2個
等です。
これを見て分かるように、必ずしもお手伝いをしたからといって、ニコニコマークがもらえるとは限りません。
その反面、いつもよりたくさんもらえることもあります。
つまり、子供達がした行動に対して、ご褒美に緩急をつけるようにしたのです。
そのため、子供達は、たまにある「激レアご褒美」に向けて、
モチベーションを高く持って、お手伝いを頑張ってくれるようになりました。
今は「かわいそう」と思っても
子どもの不適切な行動や困ったこだわりを無くすには、やはり家族内の協力は必要です。
お菓子をくれないからと、パニックになって泣いているお子さんを見て・・・
- 子どもが泣いていて、かわいそうだから、お菓子をあげたらどうなの?
- 泣き声がうるさいから、お菓子をあげて泣き止ませて。
- 1回ぐらいお菓子をあげても大丈夫じゃないの?
このように、家族から協力してもらえないことで、思い悩むお母さんも、少なくありません。
今は、「かわいそう」と思うかもしれませんが、どのように接するのが、お子さんの将来のためになるのでしょうか?
お子さんが大きくなるまで、一番近くで寄り添うのは誰でしょうか?
いずれ、お子さんは大きく成長していきます。
反対に、そばにいるお母さんは、次第に体力も無くなっていきます。
できれば、お子さんが小さいうちに、不適切な行動や困ったこだわりはなくしておいた方がいいですよね。
癇癪やパニックに対処するのは、とても大変です。
でも、家族が足並を揃えて、子育てに取り組むことができれば、
より家族の絆は深まっていくのではないかと思います。
お子さんにとって、より良い環境づくりとは、お子さんの将来を見据えたうえで、
パニックや癇癪が起こさないように、穏やかな環境を整えたり、
反対に、パニックや癇癪が起きても、安易に希望を叶えず、不適切な行動を消去したり、
また、自分の希望を主張したりなど、他の良い行動に置き換えられるように、
日々の生活の中で、お子さんへの教育方針が整えられた環境が、大事なのではないでしょうか。
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