なぜうちの子は抱っこを嫌がるの?知っておきたい本当の理由とは

子供を抱っこすると、嫌がってのけぞってしまう。

子供と手を繋ぐと、手を振り払われる。

子供から抱きついてくるのに、自分が抱きしめると嫌がられる。

そういうことが、あなたにもありませんか?

誤解される子供の行動

自閉症児を育てていると、辛いと感じてしまう時がありますよね。

 

お出かけをしたとき、他の親子は手を繋いで、お互いに笑い合って楽しそう。

でも、自分は子供と手を繋いでも、手を振り払われて行ってしまう。

子供が泣いているときに、あやそうと抱っこしても嫌がられる。

子供は、自分のことが嫌いなのかな・・・?

 

私も、そう思ってよく落ち込んでいました。

また、他人から、

「愛情不足じゃないの?」

「ちゃんと話しかけているの?」

と言われると、自分の不甲斐なさを感じていました。

 

でも、子供のこの行動には、理由があるのです。

それは、決してお母さんの愛情不足とかでは、ありません。

お子さんの「触覚防衛反応」が関係してるかもしれません。

触覚防衛反応とは?

お子さんの行動をチェックしてみましょう

お子さんが取る行動で、下記のことが当てはまれば、「触覚防衛反応」かもしれません。

  1. 散髪・歯磨き・爪切りを嫌がる
  2. 帽子の着用を嫌がる
  3. 靴下をはくのを嫌がる
  4. 抱っこをすると、嫌がってのけぞる
  5. 手を繋ぐと、振り払われる
  6. 自分からは、触ってくるのに、他者から抱きしめられると嫌がる
  7. のりや粘土などのヌルヌルした物を嫌がる
  8. 砂や芝生などチクチクした物を嫌がる
  9. ぬいぐるみなどのフワフワした物を嫌がる
  10. 公園の遊具など金属部分を嫌がる

ただ、⑧~⑩は、お子さんによっては、ちょっとしたきっかけで、過剰に好む傾向になるようです。

主に、LDやADHDと診断されたお子さんに、多く見られます。

 

でも、子供が嫌がるからしないというわけには、いきませんよね。

身だしなみを整えるために散髪する

虫歯にならないように歯を磨く

子供に大好きと伝えたくて抱きしめる

どれも、大事なことです。

 

では、どうしたらいいのか?

「嫌がっても、次第に慣れていけば、大丈夫」と思っていませんか?

でも、これは大きな間違いに繋がってしまいます。

「慣れれば」で続けると・・・?

触覚防衛反応は、自閉症児等が持っている感覚の問題です。

あなたが思っているよりも、子供が感じている「嫌悪」は、深刻かもしれません。

 

「嫌がってもやっていくうちに、慣れていくはず」と誤解し、親は無理にでもさせようとします。

でも、お子さんは当然、嫌がって泣き叫びます。

子供のそういった姿を見ていいると、中には子供が可愛くないと思う親もいるそうです。

また、自分がダメだからと、自分を責める親もいます。

 

まずは、ご両親がお子さんの苦手なことを、きちんと把握して、理解してください。

ご両親が、自分のことをわかってくれるだけでも、子供にとって心強いものはありません。

 

でも、触覚防衛反応は、どうしたらいいのかと思いますよね?

我が家では、遊びの中で取り組んでみました。

我が家での取り組み

我が家では、触覚防衛反応に対して、次のように取り組んでみました。

遊びの中で

3歳頃の長男は、発語も全くなかったので、シンプルな方法を考えました。

それは、「いっぽんばし、こちょこちょ」です。

やり方は、一般的な方法でOKです。

ただ、気を付けてほしいことがあります。

  1. 始める時は、子供の注意をこちらに向けること
  2. 触れている部分に、子供が注意が向いていること
  3. 子供が楽しんでいること

そのため、くすぐられること自体が苦手なお子さんには、不向きかもしれません。

お子さんの様子を必ず見て、やってみてください。

 

他の方法として、袋の中におもちゃを入れて、何が入っているか当てる「手探りあそび」や、

子供の背中に、親がマル・バツなどの形を書いて、何を書いたか子供が当てるゲームもあります。

ただこれは、お子さんにある程度の発達がないと、答えるのが難しいゲームです。

お子さんの発達に応じて、チャレンジしてみてください。

普段の生活の中で

我が家の長男は、歯磨きが大嫌いでした。

毎回仕上げ磨きをする度に、泣いたり、のけぞったりして大変でした。

 

触覚防衛反応のことを知ってから、長男が嫌がる理由はわかりました。

でも、じゃあどうしたらいいのか?

歯磨きをしないわけにもいかない、かと言って羽交い絞めもよくない。

考えた結果、あることを始めました。

それは、長男の知っている歌で終わりの見通しがわかるようにしたのです。

 

歯を磨くときに、私が歌を歌い始めます。

そして、歌が終わると同時に、歯磨きも終了という流れです。

歌は長すぎないように気を付けました。

あとは、歯磨きが終わった後、「嫌だけど、頑張ったね。すごいよ」と必ず褒めていました。

 

もちろん、最初からはできませんでした。

嫌な事をさせられるので、当然です。

でも、毎日繰り返し行う中で、次第に長男にも変化が出てきました。

おそらく、歌が終われば、歯磨き終了と流れが身についたのだと思います。

そして、長男が小学校入学時には、歌を歌わなくても、歯磨きが平気になりました。

これは、あくまで我が家の場合で、参考程度にしてください。

 

嫌なことを行うのは、お子さんや親にも負担がかかります。

でも、終わる見通しを立てることで、お子さんの不安を和らげるかもしれません。

そして、終わった後に、ご両親は「がんばったね」「すごいよ」と必ず褒めてください。

それが、お子さんが次もやってみようという想いに、繋がるのではないかと思います。

まとめ

子供の触覚防衛反応による行動は、親にいろんな誤解を招きます。

でも、その行動の原因は、親ではなく感覚の問題なのです。

だから、愛情不足のせいだとか、子供が自分のことを嫌っているなどと思わないでください。

 

お子さんのことを一番理解して、サポートできるのはご両親だけです。

お子さんと一緒に苦手なことを取組んだり、お子さんを励ましてあげてください。

それによって、お子さんが将来、困難なことがあっても乗り越えられる自信に繋がると思います。

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