一番最初に長男が自閉症スペクトラムの診断を受けた後、私たちはどうすれば良いか分かりませんでした。
最初、私達は小学生になる頃には、自然と言葉が出てくるだろうとしか思っていませんでした。
ところが、調べ始めると、生涯にわたって言葉を発することがないことがあったり、知的障がいがあったりすると分かり、これは大変だと思い、あちこちに聞いて回ったのです。
そんな時、大学で発達障がいを専門にされている先生から、関連書籍を紹介していただき、書店を捜して回りました。
日本で発達障がいがクローズアップされてきたのはここ10年ほどだと思います。
当時、地方の書店には発達障がいに関するコーナーがないか、あったとしてもとても小さなコーナーしかありませんでした。
そこで、私たちは、インターネット通販などそれまでやったことがありませんでしたが、AMAZONを使って書籍を購入しました。
書籍で勉強を始めたところ、購入した書籍に長男の普段の行動が、そっくりそのまま本に載っているようで、とても驚いたのを覚えています。
特徴的な行動は?
本に記載されていた特徴のうち、主に長男の2歳から3歳頃の特徴を記載しています。
- 人見知りしない。
- うれしいと手をひらひらさせる。
- 親のそばから平気で離れる。(親という認識が薄い。)
- すぐに迷子になる。(迷子の自覚がないので親を探さない。)
- 物をきれいに並べる。
- クルクル回るものが好き。
- 流し目(横目)をする。
- つま先立ちで歩く。
- 親の呼び掛けに反応しない。(物音には反応する。)
- 耳をふさぐ
- 欲しいものがあったら、親の腕をつかんでとろうとする。(クレーン)
- 公園で拾った小石を、ひたすら排水溝に入れる。
等です。その他にも、
- 光が好きで、長時間じっと見つめる。
- 人よりも物に対して、執着がある。
等が記載されていました。
我が家の場合、ほとんど当てはまっていましたので、長男はやはり自閉症なんだなとしみじみと思いました。
三つ組みの特性とは?
この三つ組みの特性は、自閉症に関する特性について、イギリスの医師であるローナ・ウィング先生が整理したもので、98年に発行された「自閉症スペクトル」に記載があります。
この先生は、自閉症児の母であり、本当にお子さんのことをよく観察さえれて書かれている本だと思います。
良書ですので、一度読んでみることをお勧めします。
三つ組みの特性は、以下の通り3つの特性について整理されています。
- 社会的相互交渉の障がい
- コミュニケーションと想像力の障がい
- 1.2の結果としてもたらされる変化への抵抗と反復的活動
ぜひ一度は目を通していただきたい書籍ですので、特に解説は致しませんが、共感したのは以下の文章です。
- 自閉症の言語障がいは、他人とのコミュニケーションをはかりたいという、生来的な健常な欲求が欠如していることに第一の原因があります。
- まったくあるいはほとんど話し言葉を持たない子供の場合、もし触れたり、指差ししたりして示すというサインを使うなら、そのサインを伸ばすべきです。
- 自分の欲求を表現する手段を何も持たない子供の場合は、人の手を引いてほしいものを伝える方が、叫び声を上げるよりは望ましい。
- 親は子供に手を取ってもらうように差し出しながら「教えて」と言う声掛けに反応するように、何度も繰り返すことで、教えることができます。
本書が、単なる分析や専門書にとどまっていないのは、自らの生活を通して療育を体験してきた経験から記載されているからだと思います。
相手の立場に立って考えることが苦手
自閉症児はとにかく、相手の立場に立って物を考えたり、人とコミュニケーションをとることがすごく苦手です。
一言で言うと、超マイペースなのです。
ですが、こういう時は、こんなふうにするんだよ。と丁寧に、教えていけば、それがだんだんと身についていきます。
朝起きたら、「おはようございます。」寝るときは「おやすみなさい。」例え機械的に言っているとしても、学校など社会に出た時に、役に立つのです。
相手の立場に立つことが苦手な例として、我が家の長男は最近まで逆さバイバイをしていました。
これは、バイバイをすると、手のひらを自分に向けてするのです。
確かに、自分から見た形は相手と同じになりますから、ある意味では正確ともいえるのかもしれません。
逆に私たちは、相手がどう見えているかということを、自然と判断しているともいえます。
これについては、その都度、子供の後ろにしゃがんで立って、後ろから子供の手を取って一緒にバイバイを繰り返していたところ、2年ほどかかりましたが自然と治りました。
ただ、七歳の今でも難しいのが「ただいま」等の自分と相手の状況によって、使い分けるようなあいさつはまだまだできていません。
考えてもみれば、確かに複雑なので、これからの課題として、取り組んでいこうと考えています。
2017.11.18追記
自閉症スペクトラムについて、より詳しい記事を投稿しました。
よろしければご覧下さい。
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