スーパーに行くと、子供が突然大きな声を出してしまう。
「静かにしてね」
「もっと声を小さくして」
と子供にお願いしても、声を小さくしてくれない。
あなたにも、同じような経験ありませんか?
目次
どうして声を小さくしてくれないの?
自閉症のお子さんにとって、「静かにしてね」「もっと声を小さくして」というお願いは、理解することが難しい場面があります。
それは、自分の出した声は、目に見えないからです。
「静かにしてね」、「もっと声を小さくして」と言われても、自分の声をどのぐらい大きさにすればいいのか、直感的に分かりにくいからです。
では、できるようになるために、どのように練習すればいいのでしょうか?
声の大きさを練習する方法とは?
練習する方法は、お子さんの現在の発達に合わせて、試してみましょう。
絵を使って教える
お子さんが、まだ小さかったり、数字がわからない場合は、声の大きさを具体的に分かるように「絵」を使います。
例えば、小さな声を「ありさんの声」、大きな声を「ぞうさんの声」とします。
1枚の紙に、二つの絵を描き、「おはようございます」など実際に声に出して練習します。
ここで注意したいことは、想像することが苦手な自閉症のお子さんが、多くいらっしゃいます。
我が家の場合、この練習を最初にしたときに、
「ゾウさんの声だよ」と伝えると、そのまま「ゾウさんの声だよ」とおうむ返しをするだけで、声の大小の理解には至りませんでした。
「アリさんの声だよ」と言っても、大きな声で「アリさんの声!!」と大きな声で言うだけなのです。
そのため、最初は、親がお子さんにお手本を見せ、お子さんにマネをしてもらいましょう。
「ありさんの声」の時は小さな声で、「ぞうさんの声」の時は大きな声で言いましょう。
ゲーム形式にするなど、お子さんと楽しく遊びながら学ぶことができるのが、望ましいですね。
お子さんが絵を見て言えるようになったら、絵を見なくても、できるように練習してみましょう。
数字を使って教える
数字を理解できているお子さんの場合、最初は3段階で練習します。
小さな声は、「1の声」
普通の声は、「2の声」
大きな声は、「3の声」とナンバー付けをします。
最初の頃は、1枚の紙に1~3の数字や図形を描いたりして、数字の「3」が一番大きいと分かるように示してあげましょう。
そして、「おはようございます」など実際に声に出して練習します。
最初は、親がお手本を見せ、その後にお子さんに繰り返してもらいます。
お子さんが練習に慣れてきたら、ランダムに数字を出してみてくださいね。
数字や図形をお子さんに視覚で示さなくても、声の調整ができるように練習してください。
また、3段階ができるようになったら、場面によって声の調整ができるように5段階にチャレンジしてみるのは、いかがでしょうか?
最初は、次の図のようにわかりやすく示します。
ひそひそ話は、「1の声」
周りに迷惑でない会話は、「2の声」
普通の会話は、「3の声」
授業の発表や返事は、「4の声」
外でのかけ声などは、「5の声」
練習する時は、具体的な場面(「お家にいる時は?」「スーパーにいる時は?」など)を提示して、お子さんに声を出して、声の大きさを実感してもらいます。
練習がうまくできるようになったら、実際の場所にてチャレンジしてみてくださいね。
気をつけることは?
日常生活の中で練習しよう
声の大きさをコントロールする練習は、日常生活の中で行うことで、身に付きやすくなります。
なので、最初は、子供の将来に役立つ、基本の7つの挨拶で練習してみましょう。
基本の7つの挨拶は・・・
「おはようございます」「こんにちは」「さようなら」「いただきます」「ごちそうさまでした」「ありがとう」「ごめんなさい」
実際の日常で使うことが多いので、声の大きさをコントロールする力だけでなく、あいさつをするのスキルも磨かれ、一石二鳥ですね。
お子さんの今の状況を理解してあげましょう
自閉症の子供の中には、「独り言」を言うお子さんが中にはいます。
我が家の長男もそうです。
独り言は、大きくなるにつれて、外出先だと目立つようになっていきます。
ただ、その場の状況にもよりますが、例えば、周囲が騒がしくて、自分を落ち着かせるために独り言を言っている場合、それを止めさせるのは難しいです。
独り言を言う理由を把握せずに、子供を怒ったり、無理に止めさせようとすると、子供はますます大きな声を出してしまうことがあります。
そのため、小さな頃から「ありさんの声」や「1の声」ができるように練習しておきましょう。
どうしても難しい場合は、お子さんを別の静かな場所へ移動させるなど、配慮をしてあげてくださいね。
子供が落ち着いているときが練習の狙い目!
お子さんとの練習は、できるだけお子さんが落ち着いているときが狙い目です。
気持ちが落ち着いているときの方が、自分の声の大きさを意識しやすいですよね。
また、お子さんが家の中で、発している声の大きさが適切であれば、それを見逃さないで、できていることを褒めてくださいね。
練習は焦らずに取り組んでみてください。
できたときは、当たり前だと思わず、できたことを必ず褒めましょう。
そして、お子さんの成長に合わせて、ステップアップをすることで、自分で意識的に声の大きさが調整できるようになるでしょう。
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