我が家の長男は、自閉症と診断される前から「カエルタオル」を愛用しています。
カエルタオルは、長男にとって「安心できるアイテム」なのでしょう。
家の中にいる間、トイレ・風呂・食事以外、ずっとそのカエルタオルを持ち歩いていました。
もちろん、寝る時も・・・。
でも、2020年、長男12歳。ある変化があったのです。
長男とカエルタオル
カエルタオルは、長男にとって安心できるアイテムです。
ただ、同時に「こだわり」のようなものになってしまっていました。
そのため、カエルタオルが汚れて洗濯する時など、長男に気づかれないように試行錯誤することが大変でしたね。
長男が幼児期の頃、家の中にいるときは常にこのカエルタオルと一緒でした。
それは小学校入学した後に続き、このままずっと家ではカエルタオルを持ち続けるが、長男にとって良いことなのか、良くないことなのか悩みました。
でも、このこだわりは、普段は家の中だけで限定的ですし、日常生活を送る上で長男だけでなく、周囲の家族にも影響があるわけではないので、たとえこのままこのこだわりが続いてもいいと判断したのです。
それに、このカエルタオルおかげで、長男はいろんな体験をすることができました。
国内旅行や海外旅行など、初めての場所・乗り物などは長男にとっては不安だったと思います。
でも、それを乗り切ることができたり、落ち着いて行動できたのは、今までの経験の積み重ねもありますが、お守りでもってきたカエルタオルのおかげだと思います。
なので、タオルに関しては、私も主人も特に気にしなくなりました。
でも、長男が成長するにあたって、ある変化が出てきたのです。
成長の過程で、変化が!?
その変化は、2回ありました。
4年生の宿泊学習
長男が特別支援学校の4年生になった時、学校行事で宿泊学習がありました。
宿泊学習では、クラフト制作などの遊びの他に、自分たちで食事の準備、入浴、就寝の準備などを行います。
もちろん、事前に学校の授業にて、宿泊学習で何をするのかや、係り決め、準備物の確認などを実施します。
長男が初めての場所に宿泊をすることになるので、私は長男にカエルタオルを持たせるべきかどうか迷いました。
実は長男、初めての場所でカエルタオルがないと寝つきがかなり悪く、いつもでしたら30分以内には就寝していたところ、2時間たっても起きているのです。
担任の先生にこのことを相談したところ、次のように決めました。
- 長男にはタオルは持っていかないことを伝える。
- 持ち物リストには記載しない。
- 当日は長男に見つからないように、カエルタオルを先生にこっそり渡す。
- 就寝のときに、落ち着かないなど、いつもと様子が違うようだったら、カエルタオルを長男に渡す。
宿泊学習当日。心の中ではかなり心配でしたが、笑顔で長男を見送りました。
そして、1泊2日の宿泊学習が終わり、担任の先生から長男の様子を教えて頂きました。
- 決められた係りについて、きちんとこなしていた。
- 食事・入浴・就寝の準備もでき、食事は残さず食べ、入浴は誰よりも満喫していた(笑)
- なかなか入眠できなかったが、布団の中で静かに過ごしていた。
そして、カエルタオルのことですが、「使うことなく、過ごすこともできたし、朝までぐっすり眠ることもできた。」のです!
その話を聞いて、私はとても嬉しかったです。
ひょっとして、タオルのこだわりがなくなったのかな?と思っていたのですが、帰宅して第一声が、
「タオル」
でした・・・(苦笑)
5年生の修学旅行
あれから1年後。今度は修学旅行です。
東海方面へ1泊2日ということで、今回もどうしようか悩みましたが、4年生の宿泊学習と同様に、「カエルタオル」なしで挑みました。
出発当日。バスに乗るとき、長男が私に「いってきます!」と嬉しそうに言ってくれた姿をみて、親バカではありますが、何て頼もしくなったのだろうと涙ぐんでしまいました。
長男が修学旅行に行っている間、私は心配で落ち着きがなかったです。
でも、当の本人は、先生曰く「かなりエンジョイしていた」そうで、ずっと落ち着いて過ごせていました。
自分の家と、両方の祖父母へのお土産も忘れずに購入。
自分へのお土産は、かなり吟味していたようです(笑)
私が心配していたカエルタオルについても、全く大丈夫でした。
長男を迎えに行き、帰りの車の中で、「修学旅行どうだった?」と聞くと、「楽しかった!」と笑顔で答えてくれた長男。
本当に楽しかったんだなと思いました。
タオルのこだわりは、やっぱり継続でした。
でも、私達が気づかないだけで、長男の中ではタオルについて変化があったのでしょう。
修学旅行から約半年後、それは突然やってきたのです。
その日は突然やってきた
ある日の夜。
我が家の子供達は、21時頃から次の日の学校の準備をし、歯磨きをして寝ます。
いつもの日常でしたが、何か違和感が・・・。
よく見ると長男が愛用のタオルを持たないで、布団に入っていたのです。
私は内心、「え?長男、タオル持っていないような・・・。いいの??」と、予想外の光景に動揺していました(笑)
私の心配をよそに、「おやすみさなさい」と言って寝室のドアを閉める長男。
そのまま朝までグッスリ寝ていました。
そして翌日の夜もタオルなしで寝る長男。
タオルは、いつもくつろいでいるソファの上にキチンと畳まれていました。(※上記写真参照)
主人にもそのことを話して、きっちり畳まれたタオルを見てもらうと、ビックリしていました。
今でもタオルなしで夜はぐっすり眠っています。
タオルなしでも落ち着くことができるのか、心が少しずつ大人へと成長しているのかなと感じました。
成長は嬉しいですが、もう小さな子供ではないかと思うと少し寂しいですね。
体も心も成長している長男に私達ができること
健常のお子さんが、12歳頃から思春期を迎えるように、障害のあるお子さんも思春期があります。
実際に長男も12歳ごろから、親がイラっとするような返事をするようになったり、体の変化に戸惑っている感じがします。
本格的に思春期を迎えることになると、長男はどんな行動をするのか、親としてうまく対応できるかが心配です。
ただ、気をつけようと思っていることがあります。
それは、長男のことを「障害のある子」ではなく「一人の人」として尊重することです。
私達はこれまでも、長男のことを「一人の人」として尊重してきました。
長男は「知的障害を伴う自閉症」と診断されましたが、同じ年頃のお子さんと変わらないと思いました。
なので、「障害があるからわからない」とか、「これ以外は興味がないはず」と限定的にしないで、長男が好きそうなもので、年相応な物を買ってあげたり、見せてあげたり、聞かせたりなど、興味の幅を広げるようにしていたのです。
そのおかげか、家での過ごし方・休日の過ごし方が、かなり充実しました。
例えば、新作の映画が公開されれば観に行きたいと言ったり、Apple Music(アップルミュージック)で流行りの音楽や、最近ハマっているヒップホップを聴いたりなど、私達が子供の頃に比べたら、羨ましいなと思うぐらいです。
子供の思春期は、障害の有無に関わらず、大人になるための通過点です。
親としては戸惑うところはあると思いますが、社会的によくないことでない限り、親の考えを一方的に押し付けるのではなく、子供の考えや意思を尊重して見守ることが大切だと思います。
それによって、子供の自立心が育まれるでしょう。
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