もし子供が虫歯になったら、治療はどうしたらいいのでしょうか?予防するには?

先日、虫歯治療に関しての記事を掲載したところ、多くの方からお問い合わせをいただきました。

そこで今回は、もう少し具体的に掘り下げてみたいと思います。

特に、お問い合わせが多かった内容は、「感覚過敏」に関してです。

感覚過敏があると、お子さんが歯磨き自体を嫌がってしまうこともあります。

どのように対応したらよいでしょうか。

自閉症児と歯科に関する問題

自閉症などの発達に障害を持つお子さんにとって、歯磨きは大きな問題のうちの一つです。

自分で歯を磨くことができないばかりではなく、親が歯を磨かせようとしても嫌がって抵抗することがしばしばあります。

その他にも、お子さんによっては、柔らかくて甘いものだけを好んで食べたり、歯に悪いジュースを頻繁に欲しがったりします。

それが原因で、虫歯が発生して深刻な状態に発展しても、自分ではそのことをうまく伝えることができないために、行動が荒れることもあります。

ですから、小さい頃から歯磨き、食習慣、定期検診などへの包括的な支援が必要になるわけです。

しかし、子供を定期検診に連れて行こうとしても、子供が嫌がって病院の中に入ることさえ困難な場合があります・・・。

どうしたら病院に連れていけるの?

既に歯医者さんに行くことを嫌がるお子さんの場合、歯医者さんへの抵抗に関して改善する必要があります。

歯医者さんに行く前に、言葉で「大丈夫だよ。痛くないよ。」と言っても、お子さんがそれを理解できないことがしばしばありますから、絵カード等のイラストを利用しても良いでしょう。

むし歯予防のためのフッ素塗布だけであれば短時間で終了しますし、痛くありません。

少しでも歯医者さんへの抵抗を減らすために、歯科検診を利用することをお勧めします。

我が家の近くには、小児への予防医学に力を入れている歯医者さんがあり、今も良くお世話になっているのですが、先日この歯科医を経営されている院長先生とお話をする機会がありました。

昔、自閉症のお子さんの虫歯治療を行うことがあり、治療が困難を極めた経験から、小児の予防医学に力を入れるようになったとのことです。

皆さんのご自宅の近くにも、小児への予防医学に力を入れている歯医者さんが無いか、探してみてはいかがでしょうか。

感覚過敏を持つ子供の歯磨きは、どうしたらいい?

自閉症のお子さんは日常の歯磨きも拒絶することがあり、その対応策が必要になります。

特に感覚過敏のお子さんの場合は注意が必要です。

我が家の場合は、幼児期から歯磨きを嫌がっていたので、最初の頃はガーゼを利用しての歯磨きから行い、徐々に毛先の柔らかいブラシに移行していきました。

最初は嫌がっていましたが、まだまだ小さい時期だったので、半ば無理矢理でも磨いていたのですが、仕上げ磨きの際には、私が子供達の好きな歌を歌い、その間に仕上げ磨きを終わらせるようにしたのです。

すると、「歌が終わったら、仕上げ磨きは終了」という流れが分かってくると、徐々におとなしく歯磨きをさせてくれるようになりました。

さらには、歯磨きが十分に習慣化された頃には、歌のリクエストもしてくれるようになりました。

おかげさまで、今ではちゃんと自分で歯を磨けるようになり、現在は自分で仕上げ磨きまでできることを目標に取り組んでいます。

まずは日常の歯磨きを通じて、口に触られることの抵抗感を無くしていく必要があると思います。

 

一方で、感覚刺激に敏感なお子さんの場合は、感覚統合に関しての訓練を検討してみても良いでしょう。

感覚刺激に敏感なお子さん、しばしば歯磨きを嫌がったり、その他にも髪や爪を切ることを極端に怖がったりします。

一言で言い現わすと、「生理的に無理!」と言うものです。

この場合は、単純に慣らせば良いというものではなく、感覚統合に関しての訓練を取り入れることになるかと思います。

例えば、秘密袋の中にある積み木の形を当ててみたり、背中に書いた記号を当ててみるなどです。

 

これは、体への刺激に対して、直感的、本能的に「気持ち悪い」と思う刺激を、「認知能力を強化」することで、直感的な感覚を抑えるものです。

皮膚から入ってくる「触覚」の情報に注意を向けて、その素材や形は何かという「識別する機能」が育まれてくることで、直感的に感じる「気持ち悪い」と言う感覚が抑えられていきます。

特別支援学校などでも、低学年の頃は、新聞紙シャワーやボールブールなどの遊びを通じて、感覚の統合を強化していきます。

お子さんの状況に合わせて、普段の遊びの中に感覚遊びを織り交ぜるなど、工夫してみてるのが良いでしょう。

虫歯にならないための食習慣とは?

食習慣に関しても、注意が必要です。

コーラなどの糖分を多く含むジュースを好んで飲むお子さんに対しては、ジュース等はあげ過ぎないよう注意が必要です。

我が家では、小学校に進学する頃には、冷蔵庫にお茶とミネラルウォーターしか入れないようにしました。

ジュースが飲めるのは、誕生日などの特別な日や、外出先などに限定して、普段からジュース類を飲む習慣をなくしたのです。

もちろん、親の私達も同じようにしました。

すると、子供達は自然と、お茶や水を中心に摂取するようになったのです。

子供に良い習慣を身につけさせるには、まずは家庭の環境を整えることが大切です。

 

これを執筆している現在(2019年5月頃)、子供達には虫歯がありません。

これまで、子供達の虫歯予防のために、継続したり、気をつけていたことが実を結んでいるのだと思います。

まとめ

お子さんが日常の歯磨きができない。

定期検診に通うことができない。

感覚過敏があって、難しい。

いろんな理由があって、お子さんの歯磨きに苦戦することが多いと思います。

お母さん一人で悩まず、歯科医師やご家族と相談しながら、改善していくことをお勧めします。

その際には、「口の中に触られるのが怖いようで、仕上げ磨きができない。」「感覚が過敏で感覚統合に取り組んでいる」など、

具体的に困っていることや困難なことを説明できるようにしておくと、スムーズなサポートに繋がるでしょう。

お子さんの歯を健康に保つためには、日々の努力の積み重ねがとても大切になります。

投げ出したくなる時もあるかもしれませんが、無理をせず、でも決して諦めず、コツコツと取り組むことで、きっとお子さんの将来に繋がると思いますよ。

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