ネガティブな感情をコントロールするポイントとは?

なかなか子供の発達が思うように伸びない。

夫婦仲が、最近うまくいかない。

皆さん、いろいろと心配事や不安など、ネガティブな感情が出てきますよね。

今回は、このネガティブな感情について考えてみましょう。

ネガティブな感情とポジティブな感情の違い

ネガティブな感情は、私たちの心の中で、何度も繰り返し思い出されます。

一方、ポジティブな感情は、すぐに忘れてしまうものです。

 

最近あった、嫌なことはなんですか?

と聞いたとき、あなたは、すぐにいくつも思いついたのではないでしょうか?

では、最近あった、良いことはなんですか?

いかがですか?先ほどと同じくらい、思い出せましたか?

もし、あなたが、良いことをちゃんとたくさん思い出せるようであれば、良いこと探しができているポジティブな方です。

さすがですね!

 

これは、「ネガティビティバイアス」といって、幸せな記憶やポジティブな体験より、辛く悲しい記憶やネガティブな体験の方が、記憶に残ることが分かっています。

私は、子供たちが自閉症と診断される前から、子育てのことで様々な方から、いろんなことを言われていました。

もちろん、私や子供たちのことを親身に思い、励ましてくれた方も中にはいました。

でも、厳しいことや嫌なことを言われて、辛い思いをした方が、今でも鮮明に覚えています。

あなたは、いかがでしょうか?

ネガティブとポジティブの比率

では、ネガティブとポジティブの比率について取り上げてみましょう。

理想は、ネガティブな感情が1の時に、それを打ち消すためには、ポジティブな感情が5以上あることが理想とされています。

 

ポジティブ心理学のバーバラ・フレドリクソン氏は書籍「ポジティブな人だけがうまくいく 3:1の法則」中で、

ネガティブ1に対して、ポジティブが3以上だと幸福度が高まると言っています。

これは、個人の話だけではなくて、夫婦の関係であったり、仕事仲間やスポーツのチームなど、

うまくいっている人たちのポジティビティの比率は、3:1を超えているのだそうです。

 

ですから、できるだけ積極的に「今日は晴れていて気持ちがいいな。」「今日は青信号が多かったな。ラッキー」というふうに、いいこと探しをしたり、

パートナーやお子さんに対しては「ありがとうね。」「嬉しいわ。」とポジティブな声かけを増やしていく必要があるんですね。

ネガティブな感情の対処法

次に、嫌なことがあったり、不安なことへの対処法について考えてみましょう。

実は人間の脳は、「考えないようにする」ということができません。

考えないようにすればするほど、気になってしまうものなのです。

 

不安なことがあると、夜眠れなくなってしまったりなど、

何も考えないようにしようとすればするほど、ますますいろんなことを考えてしまって、

結局、なかなか寝ることができなかった。

こんな体験はあなたにもあるのではないでしょうか。

では、いったいどうしたらよいのでしょうか?

答えは、他の感情で上書きしてしまうことです。

つまり、気晴らしですね。

怒りや不安などの負の感情は、早いうちに気晴らししてガス抜きすることが大切です。

 

気晴らしは人によって色々あると思いますが、集中して没頭できることが中心になります。

例えば、

・運動系(ダンスやランニングなど)

・音楽系(音楽の演奏やカラオケなど)

・呼吸系(ヨガや散歩など)

・筆記系(日記など)

この他にも、お友達に相談したりなどで、自分の気持ちを吐き出してしまうことも有効です。

その場合は、自分の記憶に定着してしまわないように、1回相談したら、忘れるルールを守りましょうね。

自己洞察力を鍛える

今日、あなたは調子がいい方ですか?それとも、悪いほうでしょうか?

自己洞察力の高い人は、自分のメンタルの状況や体調を把握することができます。

 

あ~。最近、わたし疲れてるなぁ・・・。

ちょっと、ゆっくりしたいなぁ。

こんな風に自分のメンタルや体調を客観的に判断することは、実はとても難しいのです。

メンタル疾患になりやすい人は、自分でも知らず知らずのうちに、無理をしていて、それに気づくことができません。

 

では、実際の生活の中で、どのように自分を客観的に振り返ればいいと思いますか?

私たちが、オススメしている習慣は、日記をつけることです。

日記には、今日あった嫌なことだけではなくて、必ず嬉しかったことや、楽しかったことなど、2~3つ探して書き溜めてみてください。

例えば、

期間限定スイーツが買えた!

テレビをつけたら、好きな俳優が映っていた!

信号がいつもより青が多かった!

など、どんなことでもOKです。

 

毎日が忙しくて、そんな時間はとれない。

そう思われるお母さんも、いらっしゃるかもしれません。

例えば、日記を続ける易いように、ベットサイドに日記とペンを用意しておくなど、

毎日の習慣に取り入れやすいように、工夫すると効果的です。

 

また、日記に抵抗があるのでしたら、SNSを活用してみるのもいいかもしれません。

心理学者のウイリアム・ジェームズ曰く、「人間は単なる習慣のかたまりに過ぎない。」

というように、習慣にするまでが大変ですが、習慣になって身についてしまえば、それほど難しいことではなくなります。

あなたも、始めてみませんか?

視点をシフトする

物の見方を変えるということも、ネガティブからポジティブに変化させる有効的な方法です。

物の見方を変えることで、考え方が180度変わってしまいますし、考え方が変わると行動も変わってきます。

物の見方を変えてみる

例えば、こんなシチュエーションを想像してください。

夏の暑い日、セミが鳴いている公園でお子さんを遊ばせています。

木陰で風を感じながら、お子さんの様子を見ている2人のお母さんが会話しています。

 

「今日は夏らしくて、いいお天気ね。子供を遊ばせるにはいい日ね。」

「そう?こう暑くては、かなわないわ。けど、子供が外に出たがっていたから、しょうがないよね。」

ようは気の持ちようで、捉え方が全く変わってしまうんですね。

できるだけ、前向きに物事を捉えるように、意識してみてはいかがでしょうか。

自分でコントロールが効かないことを目標に設定しない

私たちは、ご相談いただいたお母さんには、自分がコントロールできないことを目標に設定しないことをお勧めしています。

自閉症のお子さんをを育てていく中では、「何でこんなこともできないの。」と思うシーンが多々出てきます。

 

例えば、自転車が乗れるようになるかどうかは、最終的にはお子さん次第です。

発語や、コミュニケーション力、学力など、どこまで伸ばせるかは、お子さんの能力にもよります。

だからこそ、例えばお子さんが「自転車に乗れるようになること」を目標にするのではなくて、

「毎週末は、一緒に練習する時間を作る」など、自分が改善できるものを目標に設定することをお勧めしています。

 

「自転車に乗れるようになること」はお子さんの目標であって、お母さんの目標では無いと言うことですね。

そうすると、お母さん自身の目標は必ず達成することができます。

いろんな工夫をして、コツコツ一緒にやってみたけれど、どうしても無理そうなら、

そのほかに、できることを一緒に探してあげればいいのではないかと思います。

 

実はこのような例は、ご相談の中でも、とても多くを占めています。

「旦那をなんとかしたい。」

「教師をなんとかしたい。」

「学校の理解がない。」

これらはどれも、直接的にはあなたがコントロールすることができません。

 

ですから、もしなんとかするのであれば、例えば、

「旦那に家事を手伝ってもらうために、私の方からから、お願いするようにしてみよう。」

「先生の理解を得るために、連絡帳に子どもの様子をもうちょっと細かく書いてみよう。」

「学校に障害の理解をしてもらうために、PTA活動に参加してみよう。」

こんなふうに、あなたがコントロールできるものに変更する必要があるんですね。

 

いかがでしょうか?

参考になれば、幸いです。

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この本の中には、これまで私達が体験してきたいろいろなエピソードを基に、私達が感じた不安や、不安を感じつつも、やってきて良かったと思ったこと、そして、自閉症の子供を健やかに育てるために、幼児期から気を付ける7つのことが書かれています。
かつての私達と同じように、将来に対する不安を抱えているお母さんや、お子さんに診断が出て戸惑っているお母さん、不安になっているお母さん達の心の負担がきっと軽くなるでしょう。

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