大変な自閉症児の幼児期の散髪!我が家ではどう乗り切った?

子供たちが小さかった頃、髪の毛を切るのは、本当に大変でした。

今回は、その大変な時期、どうやって子供たちの髪の毛切っていたのかをお話しさせていただきます。

参考になれば、幸いです。

大変だった幼児期

自閉症のお子さんによりますが、我が家の子供たちの場合、次の4つが苦手な理由だと思います。

  1. はさみやバリカンの音が怖いから(特に耳まわり)
  2. じっと椅子に座っていないといけないから
  3. いつ散髪が終わるのか、わからないから
  4. 切って落ちた髪の毛が、チクチクして嫌だから

特に、長男は大変でした。

長男は、2歳ぐらいから散髪が苦手でした。

その頃は、「イヤイヤ期だからかな?」と思っていましたが、自閉症スペクトラム障害の特性が影響していたからかもしれません。

 

長男が2歳ごろは、私が行っている美容院で、髪の毛を切ってもらっていました。

ただ、美容師さんが髪の毛を切ろうとするだけで、長男は動いたり、のけぞったり、泣いたり。

私は、長男をなだめようとしましたが、パニック中の長男に届くわけもなく・・・。

 

そこで、美容師さんは長男が落ち着いたところを見計らって、少しずつ髪の毛を切ってくれました。

ただ、完了まで30分以上となり、時間がかかってしまったので、終わったときには、長男だけでなく私も疲れ果てていました。

美容師さんに申し訳なかったので、結局、長男が利用できたのは、たったの2回だけ。

 

「これから散髪は、どうしようか・・・」と悩んでいた時、救世主が現れたのです。

救世主現る!だけど・・・

ある日のこと。

散髪に行った主人が、帰ってくるなり、こう言いました。

「今日行ってきた散髪屋さんだけど、ここなら、長男、大丈夫かもしれない」と。

 

後日、ダメもとで、その散髪屋さんに行ってみることに。

その散髪屋さんは理髪店で、若いご夫婦で切り盛りをされていました。

長男は、奥様が切ってくれることになりましたが、座る前からグズグズの長男。

でも、奥様は、「大丈夫ですよ。」とニコッと笑ってくれました。

 

散髪開始となっても、泣いている長男。

しまいには、泣きながら海老ぞりになってしまい、「ああ、無理かもしれない・・・」と私は思いました。

すると、奥様は「大丈夫だよ~」と言いながら、長男の動きに合わせて、サクサクと手早く切っていったのです。

しかも、雑な感じではなく、丁寧な仕上がり!

奥様の素晴らしいカット技術に、ビックリしましたね。

 

カットは約15分で終了。

長男はご褒美として、ペコちゃんキャンディーをもらえ、ようやく機嫌が直りました。

 

それからは、その理髪店を利用することとなり、散髪問題は解決かなと思っていたのですが・・・

パパがまさかの異動!

異動のため引っ越しをすることになり、その理髪店に通うことはできなくなったのです。

 

散髪問題に、またしても直面する我が家でした(泣)

役割分担をして乗り切ったおウチ散髪

パパの異動で、新天地に引っ越してきた我が家。

何もかも一から、調べたり、やり直しです。

子供達の保育園や療育先のことが、優先順位として高いので、散髪の件は、とりあえず後回しにしていました。

 

そして、ようやく新天地に慣れ、子供たちの髪の毛が長くなってきたので、いよいよどうしようかということに。

すると、主人が決意しました。

「俺が切る!」と。

自分が切ると決意した主人は、カット用のはさみや、子供用の散髪ケープを購入したり、YouTubeなどで、散髪のやり方を何度も見ていました。

そして、いざ実践の日がやってきたのです。

ただ、凄腕理髪店のようにはいかないので、私たちはある対策をしました。

始める前に環境を整える

まず、散髪のための環境を整えることから始めました。

 

新聞紙を用意し、部屋の広範囲に敷きました。

もしかしたら、髪の毛があちこち飛ぶかもしれないし、万が一、子どもが動き回ったときに、部屋が汚れないで済むと思ったからです。

次に、テレビから見やすい位置に、子供用のイスを設置。

子供用のイスは、足がバタバタできないように、床に足がつく高さのものを選びました。

 

そして、子供たちの好きなDVDをTSUTAYAにて借りてきて、見せました。

理由としては、次の3つです。

  • はさみなどの音から気を逸らすため
  • なるべく立ち歩き回らないようにするため
  • 一人が散髪中、もう一人が退屈しないようにするため

あとは、髪の毛が体にかからないように、子供用散髪ケープを用意し、万が一、髪の毛が子供たちの顔にかかったとき、嫌がってパニックを起こすと危ないので、すぐに払えるためにフェイスタオルも準備しました。

散髪が終わったら〇〇へ直行!

最初は、長男から始めることに。

散髪を始めると、耳まわりはやや嫌がりましたが、昔のように泣いたり、海老ぞりすることはなくなりました。

ただ、前髪を切るときに、子供たちの正面に立つと、テレビが見れないということで、急に頭を横にしたりなど、突然動くハプニングはありました。

 

主人が髪の毛を切ってくれている間、私は長男の頭を押さえたり、次男の相手をしたり、主人のサポートに徹底していました。

不慣れなところもありましたが、約30分で終了。

最初にしては十分の出来だったと思います。

 

散髪終了後、私は長男を抱えて、あるとこへ直行しました。

それは、お風呂です。

 

実は、散髪開始とともに、お風呂のお湯を汲み始め、着替えを用意しておいたのです。

次男の散髪が終わるまで、長男にはお風呂場にいてもらうことにしました。

もちろん、お風呂で退屈しないように、遊ぶものを用意したり、たまに様子を見に行ったりしていました。

 

散髪後にお風呂に入ることで、体についた髪の毛を洗い流せるし、さっぱりできるので一石二鳥でした。

次男の散髪が終わると、今度は主人が次男を抱えて、お風呂に行き、そのあとは、子供達の髪の毛や体を洗ってくれました。

最初からお風呂場の中で、髪の毛を切る方法もあるのですが、別の日にやってみたところ・・・

  1. 排水溝が髪の毛ですぐ詰まってしまう
  2. 子供達が退屈しやすい
  3. 気がまぎれるものがないので、子供がよく動く
  4. ずっと風呂場にいるので、のぼせやすくなる
  5. 主人が一人でやらないといけないので、負担が大きい
  6. 浴槽の中が髪の毛まみれになる 等

このように、あまりメリット感がなかったので、お風呂場で散髪をすることは、やめたのです。

 

子供たちの散髪をして、風呂もいれてと、主人にとっては、大変だったと思いましたが、すごく有難かったです。

私は、主人と子供たちがお風呂に入っている間に、新聞紙を髪の毛が散らばらないように気をつけながら回収し、掃除機をかけ、子供たちがお風呂から上がってくるのを待ちました。

夫婦で役割を分担することで、何とか髪の毛を切るというミッションを無事に成功することができました。

当時のことを今振り返ると・・・

子供達の散髪は、毎回、うまくいくとは限らなかったです。

そのたびに、次のように試行錯誤を繰り返して、散髪をやっていきました。

  1. 子供用ケープに髪の毛がついているのが気になり、髪の毛を落とそうと動いたり、子供用ケープの首回りが気になり始め、ケープをつけるのを嫌がる。
  2. ケープの代わりに、フェイスタオルを首周りにかけたが、今度は切った髪の毛が直接肌に触れることになるので、チクチクするから嫌がる。
  3. 切った髪の毛が、なるべく肌に触れないように、私が別のタオルで髪の毛を払い落とす。

試行錯誤を繰り返したことで、我が家の子供たちにとってベストな方法を見つけることができたと思います。

 

ただ、今振り返ると、もっとあのとき、こうしておけばよかったかなということがあります。

子供達にみせるDVDは、なるべく飽きないように、以前見たものではなく、新作を選ぶようにしていました。

ただ、新作でも、子供達にとってあまり面白くない内容だと、よく動いて困ることもありました。

なので、子供にどっちを見たいか選択させてあげればよかったかなと思いました。

 

あとは、最初の頃は、散髪の流れをイラストで示してあげれば、よかったかなと思いました。

散髪の流れをイラストで示してあげることで、次は何をするのか?いつ終わるのかがわかり、安心できるからです。

(例)散髪の手順

  1. 髪の毛を濡らす
  2. 右側を切る
  3. 左側を切る
  4. 後ろを切る
  5. 前を切る
  6. 終わり(ご褒美)

 

また、いつ終わるのかわかるように、タイマーをかけてあげてあげればよかったかなと思いました。

「タイムタイマー」があると、いつ終わるのかが可視化できるので、便利です。

ない場合でも、目立つシールを直接時計に貼って、「この針(棒)が、赤いシールまできたら終わりだよ」と示すのでも、可視化する方法の一つです。

あとは、散髪の手順の最後に、苦手なことでも頑張れるよう、モチベーションを高めるために、「ご褒美」を示してあげるとよかったかなと思いました。

 

我が家の子供たちが、嫌がっていた散髪が少しずつ大丈夫になったのは、毎回の試行錯誤もそうですが、他にも理由があります。

それは、子供達になるべく散髪することに対して、苦手意識がつかないように、少しでもじっとすることができたら、

「じっとできて、えらいね~。さすがだね。」

と、褒めたり、髪の毛を切っている途中、子供が動きそうになったら、

「もう少しだよ。カッコよくなっているよ~。」

と、声をかけたり、完成したときは、

「かっこいいよ~。頑張ったね。えらかったね。」

と、勇気づけたり、褒めたりしていたからです。

 

もちろん、思うように子供たちの散髪がうまく進まなくて、イライラするときはありました。

でも、それで子供たちを怒ったりしても、早く終わるわけではありません。

怒ることで、子供たちは泣いてしまうし、散髪することが嫌になってしまうかもしれません。

なので、毎回の散髪で、励ましたり褒めたりすることを繰り返すことで、子供たちにとって、「できる」という自信に繋がり、経験を積むことで、少しずつ大丈夫になったと思います。

そして、現在は?

現在、子供たちは理髪店に通っています。

いまでは、常連さんです。

次男は髪の毛の長さが気になってくると、「散髪行きたいな~」と言ってくれます。

 

幼児期からの積み重ねてきた経験のおかげで、子供たちは、最後まで落ち着いていることができます。

また、髪の毛を切ってもらうだけでなく、襟足や耳まわりを、剃刀できれいに整えてもらっています。

長男は、散髪が終わったときに、鏡にうつる自分の姿に満足しているようです。

 

我が家の子供たちは、2人とも男子です。

成長とともに、いずれヒゲが生えてくるので、その手入れなどが、今後の課題になると思います。

 

子供が社会人になったときには、清潔感を出せるように、身なりをきちんと、自分で整えることが大事なことになります。

大きくなってから始めるのではなく、小さい頃からできることを始めてみましょう。

練習や経験を積み重ねていくことで、お子さんの将来に繋がるでしょう。

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